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□異文化交流なう
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「ほらよ、アイス。奢りだ奢り」

「ありがとうございます。ですが、お金、本当に良いんですか?」

「あ?勉強教えて貰ったからその礼」

「そうですか?では、お言葉に甘えます」

「おう、甘えとけ」

「…………、」

「……んだよ、そんな見たら気になんだろぃ」

「あぁいえ、これ、この蓋は舐めるものなのですか?」

「はぁ?たりめーじゃん、勿体ねぇだろ」

「はぁ、しかし、些か、お行儀が悪いような気がしますね」

「ならヒロシは舐めなきゃいーだろ」

「それはそうですが、丸井くんを見ているとこのまま捨てるのは何だか可哀想な気がして、」

「っだーっ、お前はいちいちめんどくせーな本当」

「す、すみません」

「謝んなよ、その細かいとこがお前の良いとこじゃん。おら、俺が食うからちょーだい」

「あ、はい。どうぞ」

「サンキュ。んー、これがうまいのに」

「そうなのですか?知りませんでした、まだまだ私も井の中の蛙ということですね」

「はは、ちげーよ。何つうの?俺んちが貧乏性だからよ、食い物大切にしろって言われてきたわけ」

「はぁ。しかし、我が家も食べ物は大事にしろと言われてきました」

「それとこれとは別だろ。ヒロシんちは金持ちだから、」

「…………丸井くん、それは、」

「はいはい、言いっこなしだったよな。ごめん」

「いえ、私こそ。ふふ、それにしても丸井くんとお話するのは楽しいです」

「へ、そう?」

「はい。私の知らないことをたくさん知ってらっしゃるから、すごく興味をそそられる」

「まじで、んなこと言われたの初めて。まぁ俺もお前と話すの好きだぜぃ。弟に悪戯教えてるみてぇで」

「ふふ、何ですかそれは。君の仰ることは何もかも有益な情報ですよ。決して悪戯の類なんかじゃありません」

「そ、そっか?」

「えぇ、知識が多いのは素敵なことだ」

「うー、分かったからやめろぃ。お前さぁ、天然タラシだよな、本当厄介なやつ」

「タラシ、ですか。はぁ、初めて言われました。それはすみません」

「いや、いーよ。それもお前の良いトコロだ」

「は、はぁ、ありがとうございます」

「うん、それでいい」

「……丸井くん、」

「ん?」

「ずっと、友達でいてくださいね」

「…………何いきなり」

「いえ、ふと、思ったもので」

「………ふーん、」

「いきなりでしたね、ごめんなさい」

「ヒロシ!」

「は、はいっ」

「俺たちは!死ぬまで友達だ!いや、死んでも友達だ!」

「ま、丸井くん、」

「おら!返事は!」

「は、はい!よろしくお願いします!」

「おし、よろしくな」

「私、やっぱり丸井くんのこと好きです」

「はあっ?!お前きっも!男相手に好きとか言うなよ!」

「えっ?気持ち悪いって何ですか!本心ですよ!」

「や、だからそれがきもいんだって」

「丸井くん……、」

「あー、もう!はいはい俺もダイスキだよ!」

「えへへ、ありがとうございます」

「ったく、調子狂うぜ…、」








end

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