立海大付属

□詐欺師中毒
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そもそもあいつと出会ったこと。それこそが私の最大の失敗だ。


『よう、美衣。ご機嫌ななめじゃのう』
「誰のせいよ」
『ん?俺か?』
「他に誰がいんのよ」
『なんじゃ、なにかしたかのう』


ニヤニヤしながら仁王は言う
むかつく。わかってるくせに。


「なんで昨日連絡くれなかったのよ」
『昨日?ああ、ちぃと用があってな。忙しかったぜよ』
「へぇ、メール1つ出来ないくらい忙しかったの」
『なんじゃ、お前さん。それで拗ねとるんか?』
「そうよ……っ!」



急に腰と顎を捕まれて強引にキスをされた。


「ん………ふっ…」
『……可愛いやつじゃのう』


そう言って仁王は怪しく笑う。長く深いキスのせいで息切れた私を楽しそうに見ている。



「……最低っ離しなさいよ」
『1日連絡しないくらいで拗ねるほど俺を好いとうくせに』
「っ……」
『離して、ええんか?』



仁王の指が私の首に触れる。ゾクっとした感覚がはしる。


「………離さないで、ずっと」
『可愛いのう、お前さんは』



仁王は満足そうに笑って再び私にキスをした。今度は優しいキス。




「私だけ見てて」
『ああ、お前さんだけ見とるよ』



ほんとに?どうだか。


でも、


悔しいけど、絶対に勝てない。悔しいけど、貴方に夢中なの。






詐欺師中毒
(好いとうよ、美衣)
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