青春学園

□ポニーテールと休日
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『美衣の髪ってきれい』
「そうかな?」


リョーマの部屋に久しぶりの休みだから遊びに来た。相変わらず殺風景な部屋だけどリョーマっぽくて好き。


『なんかしてる?』
「特になにもしてないよ」
『ふーん』
「そんな髪ばっかさわらないで」
『他にどこ触ってほしいわけ?』
「……そうゆう意味じゃなくて」
『照れてんの?可愛いじゃん』
「うるさいな」


髪に優しくキスしながら笑う。こんな仕草もかっこいいと思ってしまう。(や、実際かっこいいんだけど)


『ねぇポニーにしてみてよ』
「ポニー?いいけど」
『似合うじゃん』
「ありがと。ポニー好きなの?」
『まぁね』
「ひゃ!ちょっと、どこにキスしてんの」
『首だけど』
「わかってる……そうじゃなくて……んっ」
『そんな反応されたら余計やめらんないんだよね』
「ちょっ……リョーマ……」


くすぐったいような気持ちいいような変な感覚。なんだかとてももどかしくなる。


「……そこじゃなくて」
『え?』
「口にして……?」
『……それ反則。可愛いすぎ』
「んぅ……」


リョーマが噛みつくようなキスをする。息苦しさを覚えながらも嬉しくなる。もどかしさもなくなった。


『……美衣、大丈夫?』
「……ん」
『ポニーだといつもの倍そそる』
「……じゃあもうしない」
『……にゃろう』


目が合って微笑む。リョーマが私を抱き締める。全身で好きだと伝えてくれているようで。嬉しくて、幸せで、抱き締め返した。


『……美衣、いい?』
「……うん」


優しいキスがふってくる。ガラス細工を扱うように優しいリョーマの手が愛しい。


桃「越前!お前何回電話鳴らしたと思ってんだ」


勢いよく開いた部屋のドア。空気が凍りついたのがわかった。


桃「あ―………その、なんだ」


わぁ。リョーマ思いっきり睨んでる。めちゃくちゃ負のオーラまとってる。


『………桃先輩。そんなに俺と勝負したいんすか』
桃「い、いや!俺はただっ」
『いいっすよ。今すぐ叩きのめしてあげるっす』
桃「ちょっ、越前!め目がまじじゃねぇか!野々村っ」
「がんばってくださ―い」
桃「だぁ―!」


静まり返った部屋。小さくため息をついて髪をほどいた。











ポニーテールと休日
(む。桃城は休みか?)
(ああ、また越前を怒らせたみたいだよ)
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