NOVEL

□紅い糸
1ページ/1ページ



プラズマ団が解散してから3年がたった――――




否、




アイツと離れてから3年たった…



と言った方が良いくらい。
この3年、俺は再び旅に足を向けていて、やっと完成したポケモン図鑑を研究所に持っていくべく、故郷に向かっていた。





いろんなことがあった。





始まりに『相棒』のツタージャを貰った。




幼なじみのチェレンとベルとは、旅先で会う度に勝負した。



色んな景色にドキドキが止まらなかった。



様々なトレーナーに会い、バトルして、出会いと別れを体験した。









その中で出会った…



『プラズマ団』



その存在の中心、


『王子』と崇められ、ポケモンと会話する能力をもつ1人の少年。





今はもう何処に居るのか…




生死も分からない状態のアイツ。





(お前は何処に行ってるんだ…?







N…)







最初に会ったときは嫌な奴で気が合いそうもなかったためただ‘倒すべき相手’としか考えなかった…



だから気がつかなかったんだ…




アイツが…王子なんて呼ばれている…Nが



‘悲しんでいる’ことに…







「あ…」



(見えた)

「ケンホロウ、降りていいよ。」




小さく鳴いて主人の言うことをきいたはケンホロウは、クルリと回って着地。


コイツとは、旅に出てから直ぐ手持ちに入れた。
まぁ、自分の持っている手持ちの中でも長い付き合いになる。





(懐かしい…)


吹き込む風が頬を撫でると久しぶりの故郷の匂い…

やっぱり旅をしていろんな地方に身を移動させても、体は覚えているらしい。



―――――自分の居るべき場所が



でもやっぱり久しぶりというものもあるのか…


酷く恋しい。





家の前に立つ。




(これは…‘ただいま’と言っても良いものなんだろうか…?)




躊躇している俺は、ドアノブが回されたことに気付かなかった。


勢い良く開け放たれたドアに驚いて、飛び出てきた人物に思考が追い付いていなかった…









「会いたかったっ…ブラックッ…!!」








「え…ぬ?」




ぎゅうと強まる腕の力…



懐かしい…匂いだ。




「なんで…っ」


やっと捉えることができたあの緑色の髪は短く切り揃えられていて…


捉えるのに苦労した。




「…あれから、ブラックと離れてから…各地域の捕らえていたポケモン達を、僕らプラズマ団が強制的に放したポケモン達を…主人の処に、帰してきたんだ…。」




「もとあるべき場所に…」




…嗚呼、





コイツはしっかり理解したんだ



何が正しくて、信じられるのか。



(問題は、それから。)





「…なんで…こんな、トコに…?」


「…ホントは、レシラムと、違う地方に行こうかな…なんて、考えてたんだけど、ね」


少しずつ腕がほどかれ、見つめ合う形になる


随分背に差が出たもんだ…


少ししか違わなかったハズなのに…
今ではもうNの方が頭一個分もちがう。



(3年って…)




「どうしても、会いたかった…から…。


だから、君の家を訪ねたんだけど…


その…君のお母さんが…

『あの子は何時帰ってくるのかもわからないし、寂しがりやだから…

前に1度帰ってきたときも、何時も貴方のこと気にしてたし…』




『だから、此処にいて、あの子を迎え入れて欲しいわ』




って…っだから…っ」







真っ赤になりながらも視線を合わせてくるNに、気づくとあふれ出ていた無数の粒が頬を伝う




「なんでっ…もっと早く、っ教えてくれなかったの…!」



「ご、ごめんっ…で、でも、僕は君の番号を知っているわけではないし…その…」




あわあわと、掴んでいた肩から手を離そうとするNの、



「〜〜〜〜っバカN!!」



「わぁっ!!」




それでも男かと問いたくなるほど細い腰

めがけて、


おもっくそ


飛びついてやった






此処まできちゃうと…

信じる他


ないんじゃない?
紅い糸









〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


なんで最初あんなに暗めだったのに…

いつの間にかギャグになってんだか…

ブラック…「おもっくそ」とか言っちゃったよw


髪の短いN…後で書いてみようと思いますww

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ