NOVEL

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※妻視点





瞼の外に感じる光


ゆっくりと目を開けると、窓越しに海が広がっているのが見えた。




改めて、このポケセンはスゴイ…

(だってこんなにも窓がでかい)








「…おはよ…」


「…ぐり、ん。」




声の聴こえる方へ視線を移せば、まるで抱きすくめるようにまわされた腕の持ち主。


「…今、何時…?」


「ん……6時…くらいかな?」


6時くらいって…曖昧。





(意外と…早いんだな…)




ドキドキしたから早く起きたとか…?





少し口元をあげながら、再び布団に顔を埋める。


早朝の日光は優しく窓ガラスを通り抜け、部屋を明るく照り出していた。


(あったかい…)



それは、日光と、布団に移った自分の体温だけじゃあないだろう。


きっと、


「レッド…」




呟いて腰から腹までがっちり抱き締める腕の力を強める…







コイツのせいも、あるんじゃないか。





「今日はこの町観たいところだけど、さきにこっちの博士に会わねぇと…」



「うん…何時ころ出るの?」


「…大体…10時…前後…」




また、曖昧。





きっとまだ眠いんだろうグリーンは、顔を肩に埋めると再び布団を引き上げる。


「…も、ちょっと…だけ…」


「ん…」




肩に埋められた顔のせいで髪が首に当たってこそばゆい…




(まぁ、まだ6時だし…)







もう少し…








このままで…








今までこのぬくもりを感じる事ができなかった

その分だけでも―――――







バチは当たらない
…だろう






(山をでて本当に良かった…)




(感謝してるよ、旦那さん…)



言った後で恥ずかしくなった…///






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