イザシズ
□愛してるを知らない。
1ページ/4ページ
「シズちゃんって俺のこと好きでしょ?」
「…………はぁ?」
人気の無い放課後の教室。橙色の空が、静かに夕暮れを主張している。
「…………うぜえきめえ失せろ。」
単語と単語の間に息も付かずに罵声を吐き出す。
「うはっ、酷いなあ…」
台詞とは裏腹に全く気にしない様子で微笑む。
「…いいから失せろ………」
そう言うと無視してその前を通り過ぎようとした。
「っ…………?」
しかし、その手を掴まれ一瞬動きが止まった。
「…無視?」
「………………いぃざぁやぁ?」