君がいる日常。
□Blank Time
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荒々しく扉を閉め、マンションを飛び出した
行く宛なんてない
でも今はできるだけここから遠い場所に行きたかった
今、瑠璃の顔を見たくねぇ
もし見たら、今度こそ殺しちまいそうで……荒れ狂う自分の心を制御するので精一杯だった
まだ日が沈んだばかりの、明るくも暗い空を仰ぐ
……あぁ、まるで朱蓮から一護の妹の片割れを奪い返したあの日と似たような空だ
そう、利用しただけだ
一護も、……瑠璃も
最初から瑠璃だって一護と同じように利用してやろうと思ってたじゃねえか
なのに、
どうして俺はこんなに後悔してんだ?
瑠璃を殴った
足蹴にした
挙げ句、首に手をかけた
それが何だってんだ
今まで散々してきただろうが
女に手をかけたからってんなら、あのちっせぇ女の死神を斬ったときは何も感じなかった
でも瑠璃に手を出した今は、違う
瑠璃を傷つけたことをこんなにも後悔してんだ
何なんだ……何なんだよ
どうしてお前は俺の感情をめちゃくちゃに掻き乱すんだよ
「瑠璃ッ……」
呟いた声は闇に呑まれた
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