君がいる日常。
□迫りくる脅威
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「どうしたの?元気ないね」
『はぁ、なんだ月か』
「なんだってなんだよ」
カタンと月が私の前の席に座り、もぐもぐとお弁当を食べる
対する私は菓子パンをひとかじりしただけで止まり、ぼんやりとしている
昨日、あれから目を覚ましたときにリビングに行くと書き置きがあった
黒刀の字で、‘世話になった’と一言書かれていた
黒刀のものは私服も何もかもなくなって、残ったのは布団とかクローゼットくらい
もう、私のところに戻る気はないんだ
そう思ったときに溢れたのは後悔の念だった
私が言ったことは正しかったのかもしれないけど、黒刀の気持ちを全然考えていなかった
ただ改心してほしいという自分勝手な考えで言った
あんなことを黒刀に言える資格なんてない
「何があったのかわからないけどさ」
先程から落ち込んでるオーラを醸しだしてる私を見てため息をつくと月は言った
「自分一人で悩んだところでなんの解決にもならんよ?」
『……』
何が言いたいの、あんたは
そういう意味をこめて月を見る
「つまり、自分一人で悩まずにアタシにもその悩み分けろってこと。二人の方がいろいろ浮かんで解決にも近づくでしょ」
『月……』
「なに?アタシの言葉に感動した?」
『たまにはまともなこと言うんだね』
「それ褒め言葉?」
これを褒め言葉と受け取れるなら見習いたいぐらいだよ
ま、それはともかく……
『ありがと』
「どういたしまして」
一人で悩むより二人で
私のやるべきことはこれだ
落ち込んでる場合じゃない
黒刀を見つけなきゃ
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