WANTED
□「てめぇは特別だ」
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――あれから数時間後。
沖に出た潜水艦の中で、俺は迷子になっていた。
『きっとこっちが食堂だ』
二岐に分かれた道で、俺は自らの勘を信じ右へと進む。
この複雑な船内を誰ひとり案内してくれないとはどういうことだ。
『……』
ついたのは食堂ではなく、医務室だった。方向音痴とか言うな。
ふとこのハートの海賊団の船医は誰なのだろうかという疑問が浮かぶ。
好奇心旺盛な俺は、医務室の扉を開けた。
「……何の用だ」
『……何故トラファルガーがここにいる?』
医務室の中にいたのはナースでもなければ船医でもなく、船長トラファルガーだった。
しかも何故か白衣を羽織っている。
トラファルガーは俺をジロリと睨みため息をついた。
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