エレメントハンター

□She so cute.
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「君さーおかしいよ、なんであれで怒らないわけ?信じられないよ」

ほんと信じられない。
と目の前のトムはがじがじストローを噛みながら言った。
ロドニーは澄ました顔のままどこもおかしくないと思っている。

「だって、今日俺が聞いたキアラの君に対するセリフはこう」

ロドニーのバーカ。

ロドニーの鈍感!

もう知らないから!

いーだ!

べーだ!

おたんこなす!

冷血漢!

低燃費!

エコ減税!


「そんなことは言われてないが」

「いや言われてたね、近いこと言われてたね!エコ減税はもうすぐ終わるからお早めにね!」

「何を言ってるんだお前」

「俺のことはいーの!あそこはもっとがつんと言うべきでしょう!以前の君ならしてたね!気にならないわけ?」

肩を竦め、おーまいがーとでも言いたげなトム。

くす。

とロドニーはひっそりと笑った。

そんな様子にトムの片眉がぴくりと吊り上る。

「なぁによ、その顔」

「何だ、変な顔したか」

「笑ったよ。今、笑った。なんでぇ?君超貶さ
れてる!馬鹿にされているんだよ」

「本心じゃないからな・・・あれは、それに」

また、甘ったるいものを噛んだような顔をするロドニーにトムは困惑した。

「どうなってるの君たち」

と本気で心配しているトムに、
ロドニーは「何も問題はない」
とはっきり告げた。
どこか悠然とした雰囲気さえ、醸し出しながら。



トムは、知らないのだ。
その続きを、
キアラが可愛くなる続きを。

散々文句を言った彼女に

こちらが少しでも黙り込み、目をそらしただけで。

あ、とおびえたように眉を下げて、急に首根っこを掴まれた猫みたいに大人しくなって。

黙って歩く僕の後ろをほてほてとついてきて、何か言いたそうにもじもじする。

それからしばらくしてそうっと僕の袖をつまんで、うるんだ瞳で僕を見つめる。

目じりを真っ赤に染めて、今にも泣きそうな顔で言うのだ。

「ご、めん・・・言い過ぎた。ごめんね。あやまるから・・・嫌いにならないでね」

そんな風に言われたら嫌いになるどころか、抱きしめてしまう。

言い出したら止まらない彼女をほっといた方が被害が無いと思い、そうしていたらいつのまにかこんな宝物が差し出されるようになった。

あれは心臓が痛いほど衝撃的な可愛さだった。

これだから離れられない。

まあ、そんなことは自分だけが知っていればいいことなのだ。

キアラは可愛い。

友人の評価はいまいちでも、僕だけが彼女のことを知っていれば


それでいい。
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