宝物
□めいさまからの贈り物☆
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『やっぱりさ、』
レイ、こいつはやけに真剣な表情を俺に向けた
こんなこいつの表情は見たことなくて少し驚いた
そして俺は黙ってこいつの言葉を待った
『ベルさ、前髪切っ方がよくね?』
「は?」
そんな間抜けな声を王子でもあろう俺は上げてしまった
何だそれ、意味わかんねーよ
それだけか。今までの真剣な表情は何だったんだよ
そう思いつつも俺は続けた
「いーの。これで」
そう俺がししっ、と笑えば彼女はうーん、そんな唸り声を上げた
『・・・いやおかしいんだよ、その髪型』
こんなバカっぽいヤツが俺と同じヴァリアーの幹部ってことのほうがおかしいと思う
おそらく、
そんなこと言ったら俺はこいつに殺される可能性も少なくはないからやめておいた
こいつは「そんなに伸ばす必要性あったのか?」そう聞いてきた
俺のチャームポイントを汚されたということでもあるわけで気にしないわけでもなかったような気もしないわけだったので、俺は多少いらっとした。
そんな俺の気持ちに気づかないであろう彼女はまた続ける
『・・・あ、でも・・・うん、そうだな。
・・・やっぱり、その髪型が似合うのはベルしかいないと思うから可決してやる』
「・・・あ、まじ?・・・・・ありがとー?」
よく分からないがとりあえずありがとう、そう言っておいた
ま、ほんとーのこと言うとこいつにそう言われて悪い気はしない。
くどい様だがく意味は理解できなかったけど。
『何か顔にやけてるぞ、おまえ』
そんなこと思ってたら、こいつはまた不意打ちに言った
そして俺も言う
「レイのせえだっーの」
そう言って唇はまずいか、って思ったからこいつの頬にキスしてやった
そしたらレイは白い肌をピンクに染めた
だけどこいつはまたいつもの余裕ぶった表情を浮かべてこう言った
『・・・言い忘れてたけどあたし、ベルのこと好き、かも』
やば、ちょー嬉しいんだけど
強気な彼女に不意打ち失敗
(おまえ、まだ顔赤いぜ?)(─うるさいっ//)
→あとがき