終わらない日々

□笠松編番外
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かさまつ小話2012/12/04
*同棲パロの笠松編の高校の頃

*ヒロインが海常に入学してきた頃のおはなし。













マネージャーが入部するらしい。

その知らせに舞い上がったのが森山

そして、凍りついたのが笠松。

笠松がマネージャーなんかいらねーよと

呟いた顔のそれは切実なことといったら。

いよいよそのマネージャーがお目見えする放課後練

体育館に緊張した面持ちで集まった1年の中に

いた、マネージャー。

中学の学校ジャージらしきものを身にまとい

ポニーテールと言うよりは

リスの尻尾のようなひとつ結びをしている。

身長も含め身体的スペックの高い男子の中にまぎれて

その子はいっそう小さく見える。

たぶん、およそ、150センチくらいだろう。









「青葉ほのか、若葉台中から来ました。中学のときはSGでした。よろしくお願いします」









マネージャー、は

すぐにバスケ部に受け入れられた。

小さくぼんやりしたように見える

見た目とは裏腹に

青葉はれっきとした

体育会系の人間だ。

必要とあらば大きな声を出すし

礼儀正しくてよく働く。

同級生ともうまくやっているし

センパイ方もマネージャーが入ってくれてよかったと喜んでいる。

俺も青葉には好感を持ってるし、頼りになるマネージャーで、かわいい後輩である。たぶんだいたいみんな、そう思っている。ただ1人、笠松を除けば。





笠松は女子が苦手だ。

会話もままならない。

目を合わせるなどもってのほか。

笠松は女子が苦手だ。

それは学年や部内ではなかなか有名なことだった。





笠松をクリアしろ、というのは

主将からマネージャーに与えられた

指令だった。

練習試合の知らせ

来月の予定のプリント、

ことあるごとに青葉は部員を尋ね

学校中を駆け回った後、最後に

俺と、それから笠松のいる

2−Aに乗り込んでくる。











「笠松さん」

「…」

「これ来週の練習試合の会場の学校についてらしいんですけど」

「ああ、悪い」

「いーえ」







わるい、と言いながら

笠松が視線をそらした先に

青葉が回り込む。

また笠松が視線をそらす。

青葉が回り込む。







「マネージャー、ガッツあるなあ」

「だって困るんですもん、別に女子だと思っていただかなくて結構なので、普通に会話くらいしてくれたっていいと思いません?これ日常生活に支障をきたすレベルですよ」

「だってさ、笠松」

「っせーなー小堀までわけわかんないこと言ってんな」

「わけわかんないこと言ってるのはどっちですかいい加減にしてください!」

















マネージャーが笠松にキレたらしい、という

ちょっと大げさな噂は

その日のうちに広まっていった。

入学2週間ほどでガッツの定評を勝ち取った青葉は

じわじわと、笠松ともうまく距離を縮めている。









**











「へえ、いいじゃんこれ」

「あ、ありがとうございます!」

「おい小堀これ見てみろよ」

「はい?わ、これは…」







差し出されたのは

連休中の練習試合を

マネージャーが分析したまとめノート。

スコアブックもつけてたのになあ

なんだこいつ只者じゃないのか。









「よくこんなまとめたなあ」

「私中学のとき、ベンチには入ってたんですけど、なかなか試合に出れなくて、こんなこととか、マネージャーまがいのことばかりしてたんですよ。それで去年、海常の試合見て、私絶対ここでマネージャーやるって決めてたんです!」

「げ、なにそれ!マネージャーが一番ガチなんじゃね?」

「うーん、確かに、マネージャーの勢いには恐怖を感じますねえ」

「ふふ、そんなこんなでこれからも頑張ります!」

「上手くまとめた気になってんなよ」













先輩にはたかれながら

青葉が笑う。

これはまだ予感だけど

すげえ、心強い味方になる、だろう。

これから先が楽しみだ。

















**





ということで

小堀視点だったんですよ

わかりにくくてすみません。

海常熱があつくてあつくて。

黄瀬視点とかも書きたい。

時間軸とか気にせずどんどんかくぞ。


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