ミクスチャー

□青
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「私達もちょっとトラブルがあって…実は今、副業の仕込み中だったの」

副業?

話は戻ってしまうが、相手が何者か知る為に、その副業とやらが何なのか、聞いてみる。

「実は情報屋もやってるの…恥ずかしいでしょうでもね、それが案外儲かっちゃって、今その情報を聞き出してたの」

地でこんな口調なのだろう。思わず寝そうになる。

かと言って、初日から早々こんな事知りたくもないが…。

「でも、わざわざ大掛かりに痛め付けなくても、誘導尋問とかあるじゃないですか?」

他にも交換条件とかもある。何故こんな面倒な事をするのだろうか…。

「私達そんなに器用じゃないから…」

実際、複雑そうに見えて結構単純そうなのか?

割りと口も軽そうだし、情報屋に向いていなさそうだ。

「麻那木君?そんな難しそうな顔しなくていいのよ?仕事は花屋の方だけでいいから」

端から、情報屋のバイトはする気は更々ない。

「でね…学校の方で庭を作って欲しいって、仕事があったの早速その仕事を頼みたいなぁ…なんて力仕事だから私達二人には大変なのよ」

我ながらこんな事を、言うのもアレだが、見るからにして胡散臭そうな、奏空を雇ったのかと、納得する。

「力仕事ですか…」

力仕事はまあ、出来ない事、ない。

庭造りは…やった事が無い。

「出来そうかしら?」
「一応完成図とかありますかね?」

日本庭園のようなものでは、無理なので一応何なのか聞いておく。

「あるんだけど…あんまり上手くないのよね」

照れ臭そうに、謙遜する紗枝からスケッチブックを渡される。

スケッチブックの絵は…謙遜ではなく、事実だった。

お世辞にも上手いとは、言えない。

「無理ッス」

「即答ね」

紗枝にスケッチブックを返し、


暫しの沈黙。



「何か写真とか無いんですか?」

スケッチブックを抱えたまま、ボーっと、自分の世界に入ってしまった紗枝を現実に戻す。

「パソコンに…沙喜ちゃんなら出来るから呼んで来る」

沙喜ちゃん?

あの小さい拷問部屋の中にいたもう一人の人か…。

奏空はそう分析して、冷汗を頬から流す。

拷問の類は昔から苦手です。

「おはようお姉ちゃんからは大体聞きました。妹の沙喜です!」
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