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□楽園〜禁断の愛〜
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その話を聞いたのは中学三年の熱い夏だった


俺は終了式が終わると明日から始まるバスケ部の合宿の用意を早くしたくて寄り道せずに早く家へ帰った


「そうなの、可哀想にねぇ、産まれて直ぐに亡くなってねぇ、お父様がの計らいでねぇ、代わりに坊ちゃんがもらわれて…そうそう…」



電話で話す家政府に気づかれないよう黙ってそのまま外へ出た



母さんが本当は母さんではなくて死んだ母親の妹、叔母なのは聞いていた

そもそも若くて母親の年齢ではなかったし
父さんも妹のように接していた

物心ついた時から傍に居て
俺にとっては母さんだった

父さんに関しては血が繋がってないなんて
考えもしなかった

いや、父さんとも母さんとも死んだ母さんとも誰とも俺は血が繋がってなかったんだ



「俺は誰なんだ」



二人にはバスケの合宿へ行くと言って家を出て
合宿には参加せずに祖父母を訪ねて俺の出生を辿った

祖父母はもう俺が受けとめれる年頃だろうと正直に話をしてくれた


俺は産まれてすぐに祖父母の病院の前に捨てられていた

警察が捨てた母親を捜す間、もう先が長くない母さんの為に産まれたばかりで死んでしまった息子の代わりとして一時的に俺を預かった
母さんが亡くなっても捨てた母親は見つからず孤児として施設へ行くのは不憫だと、そのまま父さんの息子として育てられた

母親のいない俺の為に母さんは父さんと籍を入れて俺には両親が揃った


祖父母には俺が何も知らないままということににしておいてほしいと頼んで別れた



俺は裕福な家の一人っ子として伸び伸びと育った
それがまるで普通のことのように毎日を過ごしてきた
身元もわからない病院の前に捨てられていた俺が…




俺は楽園に住んでいるんだ





事実を知ってからは父さんと母さんに感謝の気持ちでいっぱいになった


自分の事は自分でするし母さんの手伝いもするからと父さんに話して
家政府にはやめてもらった

それから実際に家の手伝いを率先してやるようにしてできるだけ両親をを楽させようと努力した

そんな俺を見て安心した父さんは留守をしても俺に母さんを任せられると言って
教師を辞めて旅をしながら絵を描くようになった

家では母さんと二人っきりの生活が続いて
俺は父さんの分までと母さんをたくさん甘やかした

高2にもなると友達は彼女とデートなどとよく耳にしたが
俺は今の俺ぐらい若かった母さんが赤子の俺を父さんと育ててくれていたと思うと自然と母さんを恋人のように大切にした










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