FF8 スコール連載

□*気づけ!その思い*
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「文化祭実行委員にならない?!」

「…え?」


一人廊下を歩いていると、背後からセルフィに思い切り抱きつかれ、危うく転びそうになった。何事かと思えばこの一言。


「うーん…何か大変そうだから遠慮します」

「ええー!ショックぅ…スコールに続いて断られちゃったぁ」

「(スコールはやらないでしょう…)」

「ゼルは聞く前に逃げられちゃうしー」

「そ、そうなんだ…」

「あ、ねえねえ」

「?」

「変わりといっては何だけど、あたしたちの出し物に協力してね!」

「何するの?」

「むっふっふ!なんと宝探しをしまーす!」

「…宝探し?」


その言葉を聞いてキョトンとした。
だって宝探しって…宝探しでしょ?宝を探してゲットして、ただそれだけの事。というかそんなものが出し物としていいのだろうか。


「お宝隠すのを手伝えばいいの??」

「違うよー!名無しさんには大役を任せちゃいまーす!」

「え??」

「ま、詳しい内容はまた今度!ね?いいでしょ?実行委員はいいから!ね?」

「…」


…そんなキラキラした瞳で見られたら断れないです。セルフィさん。


「う、うん。いいよ…」

「わー本当に?!ありがとう!じゃあまたあとでねー!」

「う、うん、じゃあねー…?」


そう言うとセルフィはびゅーんとどこかへ行ってしまった。
文化祭実行委員って相当忙しいのかな。


寮へ戻ろうとしたらスコールがガンブレードをしまいつつ、いつもの無表情で歩いていた。また訓練所行って来たのかな。声かけよう。


「スコール!」

「名無しさん…」


こちらに気づいたスコールが歩みをとめて振り向いた。


「訓練してきたの?」

「ああ。そういう名無しさんはどうしたんだ?」

「暇だったからそこらへん歩いてたの。あ、そういえばセルフィに会ったよ」

「文化祭実行委員の勧誘か?」

「うん。断ったけどね。スコールもでしょ?」

「ああ」

「それでね、変わりに出し物の手伝いしてって言われたの。可哀想だから承諾したんだ」

「出し物?何をするんだ?」

「宝探しだって」

「…(宝探し?)」

「やっぱり、は?ってなるよね。あたしもびっくりしたの。宝探しが出し物なんて聞いた事ないし…」

「…それで、名無しさんは宝隠すのを手伝いか」

「ううん。何か大役を任せるだの言ってた」

「…?」

「何するんだろうね。あ、ねえスコール」

「何だ?」

「文化祭、一緒にまわらない…?」

「…」

「あ…嫌なら、その…」

「…別にかまわない」

「ほ、ホント?」

「…ああ」


まさかOKしてもらえるだなんて思ってなかった名無しさんは目を丸くしてスコールを見上げた。
何か、すごく嬉しい。


「じゃあ約束ね」

「…約束する」


スコールはそう言って少し微笑んだ。
…あのときの事件以来、スコールの笑顔が見れなくてちょっと不安だったけど、今は自分に微笑んでくれている。出会った時から思ってたけどスコールは自分と同じで表情がなくって、この人笑わないんだろうな、て。
それにスコールといると不思議な感覚になる。話したり、笑顔を見るともっと。

これが、″好き″って、ことなのかな。





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