FF8 スコール連載
□*2つの出会い*
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教室に入って来たのは上下黒の服を着た男の人だった。見慣れない人だったため、凝視していると相手がそれに気づいてか、こちらをチラッと見てきて目があってしまい慌ててそらした。
「どうしたの?スコール」
「…提出の紙を持ってきた」
「ああ、ご苦労様。見ておくわね」
キスティスの返事を聞いて、その男-スコールは教室の出口へ向かった。去り際、こちらを一瞬見た気がしたが気づかないふりをした。
「何だかあなたとスコール似てるわね」
「今の人スコールっていうの?」
「そうよ…って、あなた今知ったの?」
キスティスの問いにコクリと頷くと、信じられない、という顔をされた。
「本当に?授業だって一緒に受けたことだってあるのよ?」
「ん…いつも寝てるし、顔なんて一々覚えれないもん」
「…はぁ。今のはスコールっていうあなたに似て無愛想な男の子よ。私のお気に入りなの」
「お気に入り?好きなの?」
「…好きってことは、ない、けど、ただ何となくよ」
「…」
「…取りあえずさっさと寮へ戻りなさい。寝不足なんでしょう?」
キスティスが笑ってそう言うと名無しさんは頷いて教室から出て行った。
「おい、そこのお前」
教室を出て少し廊下を歩いていると、後ろからいきなり声をかけられ、驚いて振り向くとそこには長いコートに金髪の怖そうな男の人が立っていた。
「な、何ですか…?」
「これ、今落としたぞ」
「あ、」
その男の人の手には自分が落としたであろう手帳があった。
「ありがとう…!」
「…おう」
お礼を言い、手帳をしまうが相手の男はそのままそこを離れず、こちらを見つめていた。
「…何ですか?」
「…っいや、何でもねぇ」
相手を見つめれば顔をそらされ、そのまま黙って行ってしまった。相手の様子を不思議に思い、しばらくそこにボーっと立っていた。
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