FF8 スコール連載

□*記憶に残るのは*
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「サイファー訓練施設に向かってるね〜あの様子だとまた喧嘩かな」

「喧嘩?」

「サイファーがスコールを挑発してね。スコールも相手しなきゃいいのにさ〜」

「そ、そうなんだ…」

「聞きたかったのはそれだけかい?」

「あ、うん。ありがとね」

「全然いいよ〜」


ア−ヴァインは笑って手をふるとそのまま寮へ帰って行った。きっといつものようにセルフィと一緒に遊ぶのだろう。このまま寮に戻っても暇だろうからどこかへ行くことにした。



「…で、行き着いたのがここかい」


あの後、名無しさんは保健室へ立ち寄った。


「だって暇なんだもん。キスティスのとこ行っても忙しいからかまってくれないだろうしFCの人うるさいだろうし。カドワキ先生くらいしかいないと思ったの」

「セルフィとかといればいいだろう?」

「ん…今頃ア−ヴァインとイチャついてるんじゃないかな」

「あはは、やっぱあの2人はそういう仲かい。じゃあゼルは?」

「ゼルは一緒にいて楽しいけどテンション高いし今そういう気分じゃない」

「…難しい子だね、あんたも」


カドワキ先生は困った顔をすると荷物をまとめはじめた。


「?どこか行っちゃうの…?」

「ごめんよ、そこのベッド使っていいからさ。ちょっと行って来るよ」


そう言うとカドワキ先生は鞄を持って部屋から出ていってしまった。寂しいので仕方なくベッドに横になり、カドワキ先生が帰ってくるまで待つことにした。



…少しして保健室に誰かが入って来た。カドワキ先生が帰って来たのだと思い、ベッドからおりてカーテンを開けると、そこにいたのはカドワキ先生ではなく


「…」

「…」


スコールだった。
いきなりカーテンが開いたせいか、少し驚いた表情をした。が、すぐにいつも通りの無表情に戻り、目をそらしては治療用の棚をあさった。


「…どうしたの?」

「…包帯を探してる」

「え、包帯?」

「ああ」


まさかとは思い、駆け寄って不自然な左手を見るとそこからは血が流れていた。


「…!だ、誰にされた…の?」

「…誰でもいいだろ」

「よ、よくないよ、かして…!」


すると名無しさんはスコールがやっと見つけた包帯を奪い取った。


「な…」

「そ、そこ座って、手当てする」

「…自分でやる」

「やだ」

「…は?」


スコールの右手を引っ張って無理やりそばにあった椅子に座らせ、包帯の準備をした。名無しさんの必死さに観念したのかそれ以上抵抗はしなかった。


「…何で」

「…怪我とか、そういうの嫌いだから」

「…」

「これ、誰にされたの…?」

「…サイファー」

「あ…」

「…?」

「あの怖そうな人。見た目が」

「…ああ(見た目…)」

「…スコールも怖そう。見た目が」

「…(悪かったな)」

「でも優しい…ね」

「…?」


スコールが不思議そうな表情をうかべる中、名無しさんは、はい終わりと言って余った包帯を切った。おそらく言いたいのはこの間の廊下で転びそうになった時の一件だろう。


「…喧嘩はダメだよ」

「…喧嘩じゃない。そういうことはサイファーに言え…」

「…うん、じゃあ言っておく」

「…(本当に言うのか)」

「じゃ、あたし寮に帰ります…」

「…ああ」

「血流すようなことは、しないでね。そんな姿、見たくない」


そう言い、寮へ戻ろうとドアノブに手をかけた。すると突然、スコールにあいていた左手をつかまれた。



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