FF8 スコール連載

□*気づき始めたのは*
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いきなり腕をつかまれたことに驚き、慌てて後ろを振り向いてスコールを見た。


「な、なに…?」

「…あんた、前にどこかで会った…か?」

「…え?」


いきなりそんな事を言われ、少しびっくりした。過去の記憶をサッと振り返るがやはりスコールに会った記憶などなく、首をふるふると横にふった。


「…そうか」


するとスコールはそのまま黙って保健室を出て行った。なんかよくわからなくなり、ポカンとしていると、今度はカドワキ先生が入って来た。


「わっ、脅かさないでよ、ドアの前に立つだなんてやめな」

「あ、ごめんなさい…」

「なんだいあんた、ベッド使わなかったのかい?」

「…あ、うん。え、と、もういっそのこと寮で休もうと思ってね」

「そんなんじゃいつもと変わらないじゃないか。訓練施設でトレーニングでもしたらいいのにね」

「…今度の暇な時に」

「はいはい、あんたはそういう子だね。サッサとお休みなさい」

「ん…。」


一つあくびをして、それから保健室を出て行った。しばらく廊下を歩いていると、向かいに見覚えのある人が立っていた。


「お、名無しさんじゃん」

「…あ、シュウ先輩、」

「保健室にいたってことはスコールと一緒だったの?さっき出て行ったの見たけど」

「あ、そうです。ちょっと話してました」

「へぇー、何?もしかしてスコールに気があったりとかするの??」


シュウがニヤニヤしながら名無しさんに問いかけ、一方の名無しさんはうーん、と唸っていた。


「…うん」

「え〜!そうなんだ、名無しさんみたいなのでもそういう気になっちゃうかー」

「…どういう意味ですか、それ」

「えー?いやいや、変な意味じゃなくてね。」

「あと、気になると言ってもそういうのじゃなくて、何か、こう…」

「えー?何かよくわからないな。なんかそういう難しいところスコールと似てるかも」

「…それ、キスティスとかにも言われたよ」


そう突っ込むと、シュウは更に笑いだし、まあ、頑張ってねと肩をポンと叩いてどこかへ行ってしまった。


「…何を頑張れば」


シュウの言葉を不思議にポツリとそう繰り返した。
少しして寮に戻って寝るという目的を思いだし、寮へ戻ろうとした。すると近くにサイファーの姿が見えた。スコールとの会話を思い出し、思い切って声をかけることにした。


「サイファー。」

「…っおお、な、何だ」


いきなり声かけられてびっくりしたのか、やや挙動不審だった。それが面白くてプッと笑うと、サイファーが目を丸くしてこちらを見た。


「…?」

「な、何笑ってんだよ」

「あ、いや、その…」

「…」

「なんか面白かった…から」


そう言って少し笑って見せると、サイファーは完璧に固まってしまった。名無しさんはそれに気づかず話を続けた。


「あ、そうだ…その、スコールともう喧嘩しないでね。」

「…」

「あれ、えっと…」

「…ああ」

「?う、うん、それだけです…」


サイファーの様子を不思議に思いながらも言いたいことを言った名無しさんはサッサと寮へ帰って行った。




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