FF8 スコール連載
□*様子が変なんです*
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「一体どうしたらいいもんよ…」
「困…」
HRが終わり教室の隅っこで風神雷神が話していた。
「お、風神と雷神じゃねえか」
「あ、ゼルもんよ」
「珍しいな、お前らHRとかあんまでないのによ」
ゼルの言う通り、サイファー含むあの3人はHRや授業をあまりでる事がなく、いつも釣りやなんやらでサボっているらしい。
「サイファー困ったもんよ…」
「サイファーが?」
「…サイファー、様子急変」
「そうなんだもんよ!おとといくらいからポーッとして、風紀委員の仕事に力が入らないもんよ…今日も一人で部屋にいて、」
「入室拒否。仕方無、HR出席」
「何か気にくわねぇ事でもあったんじゃねーか?あいつが機嫌損ねるなんていつもの事だろ」
「そ、そういうのじゃないもんよ!」
「じゃあ何なんだ?」
「も、もうスコールと喧嘩するのやめるとか言いだしたもんよ!」
「あ、あいつが?!…あ、もしやスコールにコテンパンにされたんじゃねえか?それで…」
「否、外傷無」
「ていうか顔赤くしてたもんよ!嬉しそうな顔して少し気色悪…いでっ!!」
「…うっせぇぞ」
「さ、サイファー!」
雷神が足をかかえ、ぴょんぴょん跳ねて痛がり、背後を見ればサイファーがお決まりの不機嫌な表情にもの凄いオーラを放って立っていた。
「何だよ、最近様子おかしいらしいけどよ」
「…別に何でもねえ。何だ?お前みたいなチキンに気にかけられても嬉しくねえな」
「あ•ん•だ•と〜?!」
サイファーの言葉にゼルは拳を震えさせ、睨みつけた。一方のサイファーは面白そうに笑った。
「…まあいい、釣りいくぞ、釣り」
「わ、わかったもんよ…」
「…」
そのままサイファーは後ろを振り向き、教室を出ようと廊下に踏み入れた瞬間、いきなり立ち止まり、固まった。
「わっ、サイファーいきなり止まらないでほしいもんよ!」
「あ、サイファー…」
「…」
どうやら教室に入ってきたのは名無しさんらしい。名無しさんを目の前にし、サイファーはピタリと止まったままである。
「最近良く会うね。」
そう言って微笑む名無しさん。そして微動だにしないサイファー。
「…あ、ゼル探したんだよ。早くパン買いに行こうよ」
「あ、そうだったな。悪ィ悪ィ!行こうぜ」
そう言うと2人はさーっと教室から出て行った。一方の風神雷神は顔を見合わせて頷いた。
(…原因確定。)
(サイファーもやっぱ男だもんよ…)
2人が小声で話す中、止まっているサイファーに聞こえるはずもなかった。
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