FF8 スコール連載
□*誰が何を想うのか*
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本当に最近のサイファーはどうしたんだろうか。いままではやたら挑発してきて、面倒な部分もあったがトレーニングになったので別に良かった。周りからは喧嘩はやめろだのサイファーの挑発にのるなだとか色々言われたが気にとめなかった。今となっては名無しさんに言われたこともあるし、もうしないかもしれない。
もし、名無しさんが本当にサイファーに言ったのなら、あのサイファーがただ普通の女に注意されてやめるはずがない。むしろ言い方によっては暴れたりなんだりするくらいだ。
ゼルや風神雷神も言っていた。サイファーの様子がおかしいと。
「いままでにないことだもんよ」
「解決不可、困…」
教室に行くため、廊下を歩いていると風神雷神が困ったように話していた。黙って通りすがろうとしたが声をかけられた。
「あ、スコールだもんよ!」
「雷神、何故?」
「この際スコールでもいいから何とかしてもらうもんよ…」
「…なんだ」
サイファーのことだろうと思い、そのことに関しては気になる点も少しある。面倒だが話を聞くことにした。
「何貰?」
「サイファーに勝負挑んで根性を叩きなおして欲しいもんよ!」
「…それは、できない」
「何故?」
名無しさんに言われたからだ。サイファーと危ないことをするな、と。だがそんなこと言えるはずもない。
「じゃあどうしたらいいんだもんよ〜!」
「黙。他、方法有」
「え!?教えてほしいもんよ!」
「…恋、実」
「な?!そんなこと無理だもんよ…」
恋を…実らせる?まさかとは思ったがスコールは2人に聞いた。
「…サイファーが変なのは、そのせいなのか」
「え?何がだもんよ?」
「その…恋が」
「あ…」
「…!」
スコールの言葉を聞いて、2人はしまった、と言わんばかりの顔をした。
「…嘘だろ」
「え、あ、えっと、そうだもんよ!う、嘘だもんよ…!」
「雷神、同意!」
「…それは、誰なんだ?」
2人の様子に確信したスコールは尋ねた。
「〜っ、パンの好きなおなごだもんよ!」
「雷神、馬鹿!!」
風神が雷神の足を思い切り蹴って、服を掴んではひきずって行った。
雷神の最後の言葉を聞いてスコールは考えた。
パンの好きな人なんてたくさんだ。とくにこのガーデンはパンが有名なため、ほとんどがそうだろう。
スコールは悩みつつ、教室へ向かった。
--教室
HRの少し前ということもあり、教室には人が結構いた。後ろのほうのあいてる席を見つけ、そこに座った。
「あ、スコールおはよう…」
「…おはよう」
通路をはさんで隣には名無しさんがいた。名無しさんの逆の隣はセルフィで前にいるア−ヴァインと喋っていた。
「よう、スコール!隣いいか?」
「…ああ」
後から来たゼルがスコールの隣に座った。
「あ、ゼルおはよう」
「おう!…あ、そういやこの前のパン、悪かったな」
「ううん、ここのパン人気だし、仕方ないよ」
「まあそうだけどよ…あーあそこでサイファーと喋ってなければ食えたかもな」
「どうだろうねー」
2人の会話を聞いていたスコールはふと思った。パンやらサイファーのことやら…もしかしたら、サイファーの様子が変なのの原因は-
「さ、HR始めるわよ。席について頂戴」
…原因、は
「…の実施試験については、…の通りで」
いや、違う。きっと。
スコールのその考えは自分の中の何かが否定した。
きっと、違う。違うんだ。
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