FF8 スコール連載

□*俺はここにいるから*
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今日の授業やら何やら面倒な事を終え、名無しさんは一人武器を持って訓練施設へと向かっていた。そろそろ体を動かさねば、という思いのもとであった。
入り口に着くと武器を装備し、いつ魔物が来ても大丈夫な状態で奥へと足を進めた。


ガサッ ザシュッ


魔物を斬る音が微かに聞こえた。名無しさんはもしかしたら、と思いさらに奥へそっと忍び寄った。
人影が見え、顔をだすとやはりそこにはスコールがガンブレードをかまえて立っていた。


「名無しさん…」

「やっぱり来てると思った」


名無しさんはへらへらと笑い、スコールに歩み寄った。


「一緒にいい…?」

「ああ」

「ありがとう…て言っても、一緒に訓練ってどうすればいいのかな」

「…俺の相手するか?」

「スコール強いから駄目」


それにまだ死にたくない、なんて付け足してダガーをぶんぶんとふった。


「えと…じゃあとりあえず、あたしの腕前を見てください」

「そうだな」


名無しさんはダガーをサッとかまえ、辺りを見回した。

-その時


バンッ!!


「?!」
「わっ?!」


大きな音と共に2人の視界は真っ暗闇になった。


「停電…か?」

「う、嘘…」


停電という突然の事に驚き、完全に身動きがとれなくなった名無しさん。ダガーをカランと音をたてて落とし、恐怖のあまり、地面に座り込んだ。


「あ、あたしこういうの…だ、だ…め…」

「名無しさん?」

「スコール…!!」

「どこだ…?名無しさん!」


暗いため、人や物はもちろん辺りの景色すらも見えない。名無しさんの様子がやばいと思ったスコールは気配と僅かな呼吸を頼りに手探りで懸命に名無しさんの存在を探した。だがそう簡単には見つからない。
少ししてスコールの服の裾を誰かが掴んだ。


「名無しさん…か?」

「あ…」

「大丈夫か?」

「う、うん」


名無しさんの体制にあわせ、スコールもすぐそばにしゃがみ込んだ。それに気づいた名無しさんは掴んでいた服の裾を引っ張り、スコールの胸に顔をうめた。その名無しさん肩は震えていた。


「つかないな…」

「このままつかなかったら、どうしよう…」

「…何か近くにないか探してくる。ここで待ってろ」

「…!待って」


立ち上がったスコールの腕を掴み、引き止めた。


「行かないで、お願い…」

「名無しさん…」

「…離れちゃやだ」


弱々しい声でポツリとそう言う名無しさん。スコールは再びしゃがみ込んだ。


「…離れようとしてごめん」

「…ここに、いて」

「俺はここにいるから」

「うん…」

「ちゃんと…ここにいる」

「う…ん…」


小さく鼻をすする音が聞こえて、泣いているのだとわかった。名無しさんを落ち着かせようと、スコールはそっと頭をなでた。


「…魔物とか来たら、どうしよう」

「…そういうことは、考えるな」

「うん…でも、…あ、」

「?」

「守って、くれるんだよね」

「…ああ」


以前交わした約束。スコールはもちろんそのことを覚えている。約束したことも、そう誓った事も。


ガサッ


「…嘘」

「…冗談じゃない」


バンッ!


魔物の気配を感じ、さすがにヤバいんじゃないかと思ったその瞬間、また同じ大きな音と共に視界は明るさを取り戻した。


「あ、やっと、ついた…」

「…そうだな」


スコールはため息をつくと、立ち上がって座り込んでる名無しさんの腕を引っ張った。


「あ…」

「…どうした?」

「スコール危ない!!」


スコールの背後にはあの恐竜がいた。名無しさんがそれに気づいた時には尻尾をふってスコールをはねとばそうとしているとこだった。声を発したのとほぼ同時に駆け出して、スコールを横に押した。


「!」

「ひっ…!!」


名無しさんに押され、恐竜の一撃から逃れられたスコール。恐竜がふった尾の勢いは止まらず、変わって恐竜の前にでた名無しさんはそれにはねとばされた。そこで名無しさんの意識は途絶えた。


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