拍手夢
□むくげ
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そう言って骸が彼女に差し出したのは綺麗な花だった。
『うわぁ、綺麗。ありがとう骸!心の中でいつも髪型悪趣味って思っててごめんね。』
「なっ、貴女はそんな事思ってたんですか?」
…きっと1000人いたら999人が変な髪型って言うと思うよ。
ちなみにその1人は骸本人。
「それ芙蓉?君にしては趣味いいね。」
『ん〜。でも、なんか少し芙蓉と違うみたい。』
「クフフ…おしいですね。これは芙蓉に似てますけど、むくげっていう花なんですよ。」
「むくげ…。」
『むくげ……。』
「『骸毛ー―っ!?』」
『ちょっと、変な花渡さないでよ。私までナッポーになったらどうするの?』
花自体は綺麗なんだけどね……。
「おや、僕は素敵な花だと思ったんですけどね。花言葉は“デリケートな美”って言うんですよ。クフフ…まさしく“骸毛”の背負う言葉にふさわしいですね。」
デリケートな美……はぁ、もう放っとこう。
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