拍手夢
□コタニワタリ
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「…………えっ?」
え……これって、もしかして…僕から離れる事が、彼女の幸せって事?…いや、まさかそんな。
彼女はよく突拍子もない事をする人だったけど、今回の事は特に僕を驚かせた。
一体どうしたんだろう。
チッ…チッ…チッ…──
時計の針の進む音だけが、やけに大きく感じる。
もう、彼女が出ていってから一時間くらい経ったのに、まだ帰ってこない。
……もしかして迷子になってるんじゃ…。
…それとも、可愛いから変な奴らに絡まれてるのかも……。
そう考えだすと、いてもたってもいられなくなって、僕は立ち上がり扉の方へ向かった。
パタン…──
すると、ちょうどその時扉が開き、彼女が応接室に入ってきた。
「え……?」