拍手夢
□コタニワタリ
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『…ただいま。』
「おかえり。…どこに行ってきたの?」
僕がそう聞くと、彼女は嬉しそうに微笑みながら僕に植物を差し出した。
植木鉢に入っていないところを見ると、どうやら今、彼女がつんできたようだ。
『これ…取りに、行ってたの。……探すのに…少し、時間かかっちゃった。…はい、あげる。』
「え?…ありがとう。」
その花を僕に渡すと、彼女は満足そうに微笑み、またソファーに戻っていった。
……え、これは何だったんだろう。
「えっと…これは、何?」
『…コタニワタリ。』
え、いや、この名前を知りたかったわけじゃなくて…。
僕が少し困ったような顔をしていると、彼女はきょとんとしながら言った。