拍手夢

□ひば
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そうだ、約束だ。


僕は生きなきゃ。


「哲、止血して。」


「はいっ!」


僕は彼女の待ってくれている家に帰って、ただいまって言うんだ。


ここで死ぬ訳にはいかない!


止血が終わり、周りを見渡すと、沢田たちにさりげなく庇われているのが分かった。


悔しいけど、有難い。


さっきの僕は、敵が突っ込んできたとしても闘えない状態だったから。


敵はほぼ壊滅寸前だった。


「じゃあ、さっさと片をつけようか。」


「なっ、恭さん、重症でしょう!」


「何言ってるの?これくらい擦り傷だよ。」


僕は言うがいなや哲の制止も聞かず、トンファーを構えて駆け出した。


あいにく、庇われっぱなしは性に合わなくてね。


君の為に、ちゃんと生きて帰るよ。


待っててね。



檜葉
─花言葉は
「私の為に生きて」


Photo by季節の花300

2008年 1月後半掲載

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