拍手夢
□勿忘草
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『恭弥は、もしそんな状況になったら、私に何て言う?』
「……一緒にいこうか、って言うよ。」
彼女は僕の答えを聞くと、堪えきれなくなった涙を流しながら、幸せそうに笑って言った。
『ありがとう。』
でも、ごめんね。
君がそう言って欲しいって事は分かってるけど、もし本当にそんな状況になったら、僕には「一緒にいこう」なんて、言えないよ。
きっと僕は「僕の事忘れていいから、幸せになってね」って言うと思う。
たとえ君がそんな言葉を望んでいなくても……。
だから、君が泣かないように、僕はそんな状況にならないように強くなるよ。
僕は寂しがり屋な僕の愛しい人の髪を撫でながら、そう心の中で誓った。
勿忘草
─花言葉は
「私を忘れないで」
そして…
「真実の愛」
おまけ→
勿忘草のルドルフとベルタのお話。
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