拍手夢
□向日葵
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──ガチャ
「何してるの?」
ビクッ
僕が屋上の扉を開けて声をかけると、あの子はこちらに背を向けたまま肩をビクッとさせた。
別に威かしにきたわけじゃないのに。
「こんなところに長い時間いたら危ないよ。校内で熱射病とかになったら迷惑だから気を付けてよね。」
そう言うと、あの子は顔をうつ向かせたまま、ゆっくりと振りむいた。
『あ、ありがとうございます。気を付けます。』
何なの?何でうつ向いてるわけ?
「顔あげなよ。」
ビクッ
何だか苛々してきた。
何で顔を見せてって言っただけで怯えられなきゃなんないの?
僕はちょっとムッとしながら言った。
「ふぅん、顔あげてくれないんだ。いーよ。僕がそっちに行くから。」
僕は素早くあの子に近づいて、肩を支え、あごを持って、顔を僕の方に向けた。
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