拍手夢

□向日葵
2ページ/5ページ




──ガチャ

「何してるの?」

ビクッ

僕が屋上の扉を開けて声をかけると、あの子はこちらに背を向けたまま肩をビクッとさせた。

別に威かしにきたわけじゃないのに。

「こんなところに長い時間いたら危ないよ。校内で熱射病とかになったら迷惑だから気を付けてよね。」

そう言うと、あの子は顔をうつ向かせたまま、ゆっくりと振りむいた。

『あ、ありがとうございます。気を付けます。』

何なの?何でうつ向いてるわけ?

「顔あげなよ。」

ビクッ

何だか苛々してきた。

何で顔を見せてって言っただけで怯えられなきゃなんないの?

僕はちょっとムッとしながら言った。

「ふぅん、顔あげてくれないんだ。いーよ。僕がそっちに行くから。」

僕は素早くあの子に近づいて、肩を支え、あごを持って、顔を僕の方に向けた。



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ