拍手夢
□向日葵
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『うっ…。』
真っ赤な顔をしたこの子は、今にも泣き出しそうだった。
「え、ちょっと、泣かないで……」
僕が言い終えるのも待たずに、この子は泣き出した。
『ふっ、ふぇ〜〜んっ!ご、ごめんなさ〜い〜〜!』
あごに添えていた手を離し、背中をさすってやりながら、できるだけ怖くない声で聞いた。
「な、何が?」
『ここから雲雀先輩の事見てて、ごめんなさいーっ!うっ、うわぁぁああん!』
「え、ちょっと、見てたって何?っていうかそんな事で怒らないから!」
僕がどんなになだめても、この子は泣き止まなかった。
でもどれくらいたったのか分からなくなったころ、泣き疲れたのか、だんだんと泣き止んできた。
良かった。
「落ち着いた?」
小さく、こくん、と頷いた。
「僕をここから見てたの?」
『は、はい。すみません…あの、でも、迷惑はかけないように気を付けるので、またここから見させて貰ってもいいですか?お願いします。』
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