拍手夢
□麻
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「……ねぇ、まだ?」
『あと少しっ!あと少しで今日ようやく完成しますから、まだ動かないで!』
はぁ。思えば、あの時の僕は少しぼーっとしていたんだ。
それで彼女と廊下でぶつかってしまって……
………
タッタッタッ……
ドンッ…ベリッ
『おぅわぁぁあ!』
「…何奇声あげてるの、うるさいな……咬みころ『ぎゃーー!』
「………何。」
『この絵、今度の大会に出展するものなんです!……今ので破けちゃったー!どうしよう!?』
「そう……じゃあね。」
『ちょーーっと待って!今、少なからず罪悪感を感じてますよね!?その罪悪感を拭う為にもお願いですから絵のモデルになって下さい!』
………
その後、何度も断ったけど、あまりに彼女がしつこいから承諾したんだ。
僕が数日前の出来事を思い出していると彼女の声が聞こえた。
『はい!出来ました!』