拍手夢
□コタニワタリ
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拍手お礼夢*雲雀甘夢
彼女と付き合い出して、もう三ヶ月が過ぎた。
彼女は僕といてもあまり話さないから、最初はもしかしたら嫌われてるんじゃないか、なんて事を思った事もあったけど、彼女は寡黙なだけで、彼女なりに僕と過ごす時間を楽しんでくれているようだった。
彼女と一緒なら、沈黙さえも愛しく思う。
自分の想う人が、傍にいてくれて、自分を想ってくれるだなんて、何て幸せなんだろう。
……彼女の幸せは何なんだろう?僕にできる事なら、なんだってしてあげたい。
「ねぇ。」
僕は応接室のソファーに座って、僕の仕事が終わるのをぼーっと待っている彼女に声をかけた。
彼女はこっちを見て、少し首をかしげた。
『…なぁに?』
「僕はね、君が傍にいてくれて、僕を想ってくれて、本当に幸せだよ。君が僕の幸せなんだ。…君の幸せは、何?」
僕がそう言うと、彼女は嬉しそうな微笑みをつくり、ソファーから立ち上がって……
パタン…──
応接室から出ていった。