拍手夢
□パイナップル・リリー
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『委員長!』
「何?」
僕が応接室でぼんやりしていると、最近風紀委員に入った彼女がやってきた。
彼女は何故か僕に憧れてるみたいだ。
僕としては憧れよりも、もっと違った──そう、僕が彼女に抱いているのと同じ感情を持って欲しいんだけど。
『あの、委員長。私、委員長にぴったりな花を見つけたので、応接室に飾らせて頂いてもよろしいでしょうか?』
「いいよ、どんな花………って、え?」
彼女が少しはにかみながら差し出した花──というかこれは花なのか──は、大きさは小さいまでも紛れもなくあの憎らしい南国フルーツだった。
『パイナップル・リリーって言うんです。』
パイナップル?
……パイナップル?
いやいや、おかしいよね。
何で僕にパイナップルがぴったりだなんて……?
「あの…何で、僕にぴったりだって思ったの?」
『委員長は完璧ですから!』
これは答えになっているんだろうか?
……いや、なってないよね。
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