拍手夢
□ひば
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「くっ……はぁ、はっ。」
情けない。
僕がこんなに息を乱されるなんて。
いけない、今は休んでる暇なんかない。
「───っ!!」
再びトンファーを構えようとした刹那、右足と腹に激痛を感じた。
ああ、そういえばさっき撃たれたんだっけ。
……気にせずに闘っていたから、どうやら血を流しすぎてしまったようだ。
僕はもう立っている事も出来なくなって、地に片膝をついた。
少しでも気を抜いたら、このまま倒れてしまいそうだ。
ファミリーの奴等が闘っている喧騒が、酷く遠くに感じられる。
「恭さんっ!!」
出血多量のせいか、意識が朦朧としてきた時、僕の名前を呼ぶ哲の声が聞こえた。
「大丈夫ですかっ!恭さん、しっかりして下さい!」
「…はあっ、これが大丈夫に見える?……くっ、もう僕は駄目、かもね。」
闘いに身を投じたままこの生を終えるなんて、僕らしいと思うよ。
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