拍手夢
□マーガレット
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放課後、校舎の周りの見回りをしていると、花壇の方から小さな声が聞こえてきた。
『──あの人は私の事を好き、嫌い、好き、嫌い、好き……。』
花占い?
少し近寄ってみると、やっぱりいつも花壇の花の世話をしているあの子だった。
『……嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い。うっ!……。い、いや、ただの花占いだもの。気にする事ないわ。……でも、やっぱりもう一回。』
ころころと表情を変える彼女は、何だか可愛らしかった。
というか、気にする事ないとか言いつつも、やっぱり気になっちゃうんだね。
真剣に、好き、嫌い、好き……とやっている彼女が可愛くて笑いがもれそうになるのを堪えて、僕は彼女を見守った。
『……好き、嫌い、好き、嫌い。……。やらなきゃ良かった。』
小さな事で表情をころころ変える彼女は可愛いけど……はあ、好きな奴いたんだ。
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