拍手夢

□ゼラニウム
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…なんか今日の応接室は変な匂いがする。


僕はこの少し不愉快な匂いの原因は何かと応接室を見回した。


すると、窓際に生けられたピンクと白のゼラニウムが目に入った。


風紀に花を飾るようなヤツいたかな?


あぁ、そういえば今年風紀に入ってきた女子がいたよね。あの子かな?


コツコツコツ


足音が聞こえる。


噂をすれば影。どうやら彼女が来たようだ。


コンコンッ


『委員長。書類整理が終わりました。入ってもよろしいでしょうか。』


「入りなよ。」


ガチャ


彼女はよく働く。


書類整理なら応接室でやればいいっていつも言ってるのに、何故か彼女はそうしない。


…きっと僕の事が嫌いなんだろう。


その事を考えると、いつも苛々する。


…何故だろう?


「この花を生けたのは、君?」


僕がそう聞くと、彼女は長い沈黙の後、私です。とだけ言った。


何で、花を飾ったのか、という質問にさえすんなりと答えてくれないのだろう。


他の風紀の奴らとはにこやかに話しているのに、僕にだけいつも素っ気ないし…あぁダメだ。やっぱり苛々する。




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