拍手夢
□ダリア
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ドンドンッ
バタンッ
ノックの音とは思えないような、激しいノック音の後、僕の返事も聞かず応接室の扉が勢いよく開いた。
返事を聞いてから開けなきゃ、ノックの意味がないんだけど。
『ヒバリン、ヒバリン!』
「認めたくないけど、それ僕の事?」
『当たり前じゃん。ヒバリンはヒバリンしかいないよ!』
……ヒバリンって…なんか響きが可愛くてイヤなんだけど。
彼女は、いつもこんな感じだ。
別にこれといった関わりはないのに、時々応接室にやって来て、たわいもない話をして帰って行く。
……きっと、彼女が早く来ないかって、僕が待っているだなんて、彼女は知らない。
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