夢&オリジナル小説

□Love Sickness
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【雷門中】
〜蘭丸said〜
蘭丸:「あ〜,何でこんないい天気の日に限って掃除当番になるかなぁ。」
黒板消しをクリーナーにかけながら独り言のように呟く。
ふと窓から空を見上げれば,そこには爽やかな夏空が広がっていた。
正直な話,掃除なんかすっぽかして早く部活に行きたい。
浜野:「霧野ー。」
蘭丸:「ん?」
浜野:「ゴミが結構たまってるから,焼却炉まで捨ててきてくんない?」
蘭丸:「あぁ,わかった。焼却炉ってどこにあんだっけ?」
滅多に行かないから場所がよくわからない。
浜野:「確か体育倉庫の裏にあるんじゃねー?」
蘭丸:「そっか,じゃあ捨ててくるな。」
浜野からゴミ袋を受け取り,昇降口から体育倉庫へ向かう。
蘭丸:「あぁ,ここだな。」
ギギィ…
錆びた鉄の戸を開けて,中にゴミ袋を押し込む。
蘭丸:「これでよし。さぁ,教室に戻…」
神童:「俺の下駄箱に手紙入れたのって君?」
蘭丸:「ーっ!」
ゴミを捨て終えて教室に戻ろうとした時,どこかから耳に届いた神童の声に立ち止まる。
蘭丸:(もしかして…。)
気になって,そっと声がした方を覗き込んでみた。
すると,そこには予想通りに困ったような表情をした神童と…,顔を赤らめうつむいている女子生徒の姿。
長い髪を2つに結っているリボン,どこかで見たような…。
蘭丸:(…あぁ。)
少し記憶を辿ったら,意外と簡単に思い出せた。
あの子,最近よくグラウンドでサッカー部の事眺めてた子だ。
蘭丸:(って事はやっぱり…。)
女子:「しっ,神童先輩!私,先輩が好きです!///」
蘭丸:「…。」
やっぱり告白だった。
胸がズキズキと痛みだす。
蘭丸:(OKするなよ,神童…。)
まぁ,今まで何人もの告白を,「すまないが,俺はサッカーに集中したいんだ。」の一言で断り続けてきた神童だ。
どうせ今回も…。
神童:「すまないが…,」
蘭丸:(ほら,やっぱりな。)
神童:「俺には好きな人がいるんだ。」
蘭丸:(えっ…?)
女子:「そっ,そうですか…。うぅ…っ(泣)」
神童:「ーっ!Σ」
女子が泣き出してしまったので神童があたふたしてるのが目に入ったが,俺は何も考えられなかった。
蘭丸:(好きな人…,神童の好きな人って,誰だ…?)
頭の中がゴチャゴチャだ…。
神童…,俺の気持ちは,お前にとっては迷惑なのか…?
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