夢&オリジナル小説

□いつだって,俺は君の幸せを願ってるから
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〜ある日の雷門中〜
神童:「はぁ…。」
蘭丸:「…ι」
外で降りしきる雨の音が響くミーティング後の部室。
今俺はその静かな部室に幼なじみ兼親友の神童と2人で残って宿題をしている…,はずなんだけど。
蘭丸:「神童,どうしたんだ?全然進んでないみたいだけど。」
神童:「ーっ!すっ,すまない。少し…その,考え事をしてて。」
蘭丸:「何か悩みでもあるのか?俺でよければ,相談に乗るぜ。」
神童:「霧野…,ありがとう。実は…,つっ,剣城のことなんだが…。」
蘭丸:「剣城?」
1週間くらい前,神童が剣城から告白されて付き合いはじめたのは知ってたけど。
付き合いはじめの1週間ってすごく楽しい時期で,悩んだりするようなことはないんじゃ…。
神童:「昨日の部活後に,剣城にうちまで送ってもらうことになったんだ。だけど…」
蘭丸:「…約束すっぽかされたとか?」
神童:「いや,そうじゃないんだ。剣城はちゃんと待ち合わせ場所に来てくれたんだけど,その時…,剣城が天馬と仲良くしてるのを見てしまって…。」
あぁ,成る程…。
要するに,神童は天馬に嫉妬しちゃったんだな。
神童:「その,ついヤキモチ妬いて剣城に「そんなに天馬と居たいなら天馬と帰ればいい」と言い放って,逃げてきてしまったんだ…。」
蘭丸:「あ〜…ι」
それは…,剣城も天馬もさぞかしビックリしただろうな。
だけど……。
蘭丸:「まぁ,それは確かに神童が悪いな。」
神童:「うっ……(泣)」
蘭丸:「おいおい,泣くなよ(汗)別に怒って言ってるわけじゃないんだから…ι」
神童:「だっ,だって…(泣)」
蘭丸:「はぁ…ιあのな神童,人を好きになったら,嫉妬って感情はどうしたって付き物なんだ。」
コクリとうなずく神童。
蘭丸:「ちょっとしたヤキモチくらい,恋愛のエッセンスだ。だから俺はヤキモチ自体を悪いとは言わない。けど……」
神童:「けど?」
蘭丸:「そのヤキモチを,相手への怒りに変えちゃうのは良くないよな。」
神童:「……それはわかってるんだが,つい…ι」
蘭丸:「そうだな,ついカッとなっちゃうのもわかるけどさ。だったら,次からはこうしよう。"ヤキモチを妬いたら,その寂しい気持ちをちゃんと剣城に伝えてみる!"」
神童:「伝える…?」
蘭丸:「あぁ。突然怒鳴り散らすんじゃなくて,言葉でな。神童の"剣城が他の人と仲良くしてると寂しい"って気持ちを,ちゃんと伝えるんだ。」
神童:「でっ,でも……。」
蘭丸:「何だよ,まだ何かあるのか?」
神童:「許してくれなかったらどうしよぉ〜…(涙)」
蘭丸:「大丈夫だって,素直に謝ればきっと許してくれるさ。」
神童:「でも…,もう嫌われちゃってるかも…(泣)」
蘭丸:「そんなこ…「そんな事は絶対にあり得ませんね。」えっ?」
突然俺と神童の前に現れた1人の少年…,って!
蘭丸&神童:「剣城!!」
剣城:「俺がキャプテンのこと嫌ったりするわけがないでしょう。」
神童:「でっ,でも…。」
うつむいて剣城の目を見ようとしない神童。
大丈夫かな…ι
剣城:「霧野先輩,悪いんですけど…。」
蘭丸:「…神童,俺先に帰るな。」
剣城の言いたいことがわかったので,ここは潔く帰ることにした。
蘭丸:「剣城,剣城!」
帰る直前,少し剣城に屈んでもらって耳元に一言。
蘭丸:「神童のこと,大事にしてやってくれよ。」
剣城:「…言われなくても。」
その剣城らしい返答に苦笑し,部室を後にする。
蘭丸:「じゃあ,また明日!」
神童:「きっ,霧野,ちょっと待っ…!」
後ろから神童の声が聞こえたけど,あえて無視してダッシュした。
今の俺が出来る最大限の助言はしたんだ。
後は自分達でどうにか出来るだろう。
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