蘭拓連載

□桜前線 〜小さな恋の物語〜
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【和泉・霧野邸前】
〜拓人視点〜
拓人:「ここが和泉…。」
すごいな,桜が満開だ。
初めて足を踏み入れた和泉の地は,淡い桃色の桜に満たされていた。
秋:「さぁ拓人様,中に入れて頂きましょう?」
拓人:「あっ,はい。」
目の前にある門を叩こうと手を上げたとき…。
蘭丸:「ようこそ,霧野家へ!」
ダンッ!と目の前に一人の少年が降り立った。
拓人:「……ι」
蘭丸:「ん?」
拓人:「あっ,あの…どちら様ですか?」
蘭丸:「俺はこの霧野家の長男の霧野蘭丸!よろしくな,えーと…」
拓人:「あっ,はじめまして。神童拓人です。」
蘭丸:「そっか,よろしくな拓人!俺のことは蘭丸でよろしく!!」
明るい笑顔を向けて来た蘭丸に微笑み返す。
蘭丸:「…!!///(←赤面)」
拓人:「はい,よろしくお願いします。」
蘭丸:「…(可愛いじゃん)///敬語じゃなくていいから…,じゃあ屋敷でお茶でも…。」
篤志:「おーい,蘭ーっ!」
蘭丸:「あっ,篤志さん!?」
蘭丸さんに案内され屋敷に入ろうとしたとき,藤色(紫色)の髪をした艶やかな雰囲気の方がこちらに向かってかけてきた。
拓人:「あの…,蘭丸さんのお知り合いですか?」
篤志:「え?はい,そうですけど…。どちら様ですか?」
蘭丸:「今日からうちの屋敷にいらっしゃった,神童家のご子息だよ。」
拓人:「しっ,神童拓人です。はじめまして…。」
篤志:「あぁ,はじめまして。俺は,この霧野邸の隣の屋敷の長男,南沢篤志と申します。」
差し出された南沢さんの手を握り返すと,蘭丸さんが俺達の間に入ってきた。
蘭丸:「はいはい,じゃあ挨拶はその辺にして中に入ろうぜ!」
拓人:「ーっ!///」
蘭丸さんのキレイな手が俺の手を掴んできて思わず赤くなる。
俺は何でこんなに緊張しているんだ?
それに,動悸が止まらない…。
青蘭の空に美しい桜の花びらが映える,そんな春の日の出会いだった。
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