夢&オリジナル小説

□いつでも一緒♪
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あれは,まだ俺達が幼稚園児ぐらいの時の口約束だったっけ…。
〜10年前〜
蘭丸:「たっくん!ぼく,たっくんが大好き!!」
拓人:「ぼくもらんちゃん大好きだよ!でも,いきなりどうしたの?」
蘭丸:「そっ,そうじゃなくて!ぼくね,おとなになったら,たっくんとけっこんしたい!」
拓人:「けっこんってなに?」
蘭丸:「パパとママみたいに,すきなひととかぞくになるんだよ!!」
拓人:「らんちゃんとかぞくかぁ…。」
蘭丸:「いや…?」
拓人:「ううん!うれしいよ!!」
蘭丸:「ほんと!?じゃあ,おとなになったらけっこんしてくれる?」
拓人:「うん!じゃあ,やくそく!」
蘭丸:「うん,やくそくだね!」

?:「蘭丸…。」
蘭丸:「ん…?」
母:「蘭丸!起きなさいよ!!遅刻するわよ!!」
蘭丸:「えっ!?今何時!?」
ガバッと起き上がり,ベッド脇の時計を見る。
蘭丸:「うわっ!もう7時じゃん,朝練始まっちまう!!」
母:「ほら,さっさとご飯食べちゃいなさい。学校まで車で送ってあげるから。」
蘭丸:「あっ,あぁ。ありがと!」
何か朝からバタバタしちまったなー。
そう思いつつ,遅刻ギリギリでグラウンドに駆け込んだ。
蘭丸:「おはよう!」
拓人:「おはよう霧野,今朝は遅いんだな。」
蘭丸:「あぁ,ちょっと寝坊しちゃってさ。」
拓人:「寝坊?」
不思議そうに首を傾げる神童。
今朝の夢の事を話したら,お前はどんな顔をするかな…。
呆れる?困る?それとも…,怒る…かな。
拓人:「霧野!何ぼーっとしてるんだ?」
蘭丸:「ーっ!悪いな,俺はどこぞのキャプテンみたくしっかりしてないからな(笑)」
拓人:「わっ!///肩に腕を回すな!!」
蘭丸:「何で〜?これくらいならいいだろ?幼なじみじゃないか!」
自分の発した言葉に胸が痛んだ。
そう,俺は神童の幼なじみ。
友達であり,親友であり,仲間でもある。
けど,俺はそんな称号はいらないんだ。
俺は…,拓人の『特別』になりたい。
蘭丸:「…拓人。」
拓人:「なっ!?///学校で下の名前を呼ぶな!」
ただ名前を呼んだだけで,走り去ってしまう拓人。
こんなんじゃ,俺の想いが届く日は来ないだろう。
だから…,この気持ちは,誰にも言えない…。
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