夢&オリジナル小説

□Love Sickness
3ページ/4ページ

神童:「霧野…。」
蘭丸:「……?」
遠くから誰かに名前を呼ばれてる気がする…。
神童:「霧野…,しっかりしろ霧野!!」
蘭丸:「…!」
神童の悲痛な叫び声に,ぼんやりと目を開いた。
まだピントの合わない視界に,真っ白な天井と泣きそうな顔の神童が写り込む。
蘭丸:「ここ…は…。」
神童:「学校の保健室だ。覚えてるか?さっきの練習試合の時に…。」
その神童の言葉で思い出した。
そうだ,俺速水が打ち損じたボールに当たって…。
神童:「当たり所が悪かったみたいで気を失ってたんだ。大丈夫か?」
蘭丸:「あぁ,ゴメン。迷惑かけて…。」
ベッドから体を起こして,神童と目線を合わせる。
神童:「迷惑だなんてそんな…。でも,今日の霧野は本当にらしくないぞ。何か悩んでるんじゃないか?」
蘭丸:「…っ!」
言葉に詰まった俺を神童が真っ直ぐ見つめてくる。
言えるわけないだろ…,お前の好きな人が誰だか気になって集中出来なかったなんて,呆れられるに決まってる。
神童:「俺には…,言えない事なのか…?」
うるうると神童の瞳が潤みだした。
ヤバイ,このままじゃ泣く!
神童:「うぅ…(涙)」
蘭丸:「わーっ!泣くな神童!話すよ,ちゃんと話すから!!」
神童:「ホントか…?(←涙目)」
蘭丸:「あぁ。じっ,実は…///」
やべぇ,いざ言うとなると恥ずかしすぎる!!
えーいっ,こうなりゃヤケだ!!!
蘭丸:「しっ,神童の好きな人が誰なのか気になって練習出来なかったんだよっ!///その程度のことでって思われるかもしれないけど仕方ないじゃないか!それくらいお前の事大好きなんだから…っ!」
神童:「え…,えっ!?///」
一気に真っ赤になる神童に,何かおかしなことでも言ったのかと言葉を切った。
余計な事…,言ってんじゃん!!///
蘭丸:「わーっ!///何勢いで告白してんだ俺!!ゴメン神童,今の忘れ…!」
ギュッ…
神童:「忘れなきゃ…,ダメか?」
蘭丸:「…っ!?///」
抱きしめられたまま耳元でささやかれる。
蘭丸:「だっ,だって…,神童好きな人いるみたいだし。俺の気持ちが迷惑になるから,だから…。」
何だか自分で言ってて悲しくなってきた。
神童:「迷惑になる…か。俺の好きな人が,霧野だったとしたら?」
蘭丸:「え…?」
神童:「好きな奴から好きだって言われて嫌がるわけないだろ?」
蘭丸:「えっと…?///」
神童:「…ここまで言ってもわからないのか?」
まだ涙が少し残っている瞳を一度閉じて,神童が顔を近付けてくる。
神童:「霧野…。」
蘭丸:「んっ!///」
何が起こっているのか理解出来ないまま,神童に…,キスされた。
神童:「いい機会だからハッキリ言っておくよ。俺,神童拓人は,霧野蘭丸を,この世界の誰よりも愛しています。」
蘭丸:「…っ///」
そう言った神童にはさっきまでの泣き虫の面影は無くなっていた。
蘭丸:「しん…ど…う…?」
神童:「何だ?」
蘭丸:「神童…が,俺を…?」
神童:「……。もう一回言ってほしいか?」
蘭丸:「けっ,結構です!///」
何だか実感がわかないけど…,"神童が俺のことを好き"その事実に,俺の心が幸せに満たされるのがわかった。
蘭丸:「神童…。」
神童:「なんだ?」
蘭丸:「俺も,神童のこと大好き…だから…///」
神童:「…///あぁ,ありがとう…。」
ふと,"皆は俺達の事を心配してるんじゃないか"なんて考えが頭を掠めたけれど,今はもう少し神童の腕の中に居たいんだ。
だからお願い,あと少しだけは…,2人だけの世界に浸らせて…。
〜The Happy End~〜
→オマケ
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ