異邦人大系 第三部

□不穏vs不穏
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『只今、戻りました──』



優人がリビングに帰ると
優人の前に影がスッと遮る。
そこに立ち尽くす者が居て
優人は悲鳴を上げ掛けた。
だって、その影が余りに
普通じゃなかったから。





『…え? えぇ?』



誰だって驚くと思う。
プロレスラー並みの
屈強な肉体の大男。
しかも、まさかの
パンイチ姿に胸には
謎の星マークを従えて。
なのに頭だけは可愛らしい
プンスカだったのだから。





『な、何なんですかコレ…!?』



それには、プンスカ全般を愛する
流石の優人さえも若干、引いてしまった。
しかし、そんな優人の事を差し置いて
プンスカ男が自分の元へジリジリと
迫って来たりしたものだから───。





『ひ、ひぃいいいいっ!!?』



優人の絶叫がリビングに木霊した。





『真木。ほら、よく見ろ。優人が怯えてるじゃないか。貴様、何が目的だ。目障りだ。さっさとソイツを引っ込めろ』


『HAHAHA。ユートンに彼を是非、会わせて置きたくてね。姪にも彼だけは何故か不評だった──』


『当たり前だ』


『だ、だって。姪もユートンも喜ぶと思ったんだもの』


『貴様の感性はどうかしてる』



そこへ、キッチンにて
明日の朝食の仕込みをしていた
祟場も慌てた様子で駆け付けて来た。





『ジジイ、またやらかしやがったな!? トラウマになるから、それ以上、その変なのを優人に近付けるんじゃない!!』


『タタリン! またってなんだよ、またって。それじゃあ僕が丸で、しょっちゅうやらかしてるうっかりさんみたいじゃないか!!』


『アンタは、うっかり八兵衛そのものだ』


『Oh、デジャヴ!! 何だと、この青二才!!』


『有りの儘を言ったまでだろう!?』


『ムキィーッ!!』


『全く、人が感傷に浸ってた所をぶち壊しやがって…』


『え、何? タタリン、センチメンタルなの?』


『……五月蠅い』


『センセ…?』



そこへ、プンスカ男に
胴上げされ掛けていた優人が
どうにか逃れて祟場の元へとやって来た。




 
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