電霊‐LOGICAL PARADOX‐ (仮)

□水鏡吉崎について
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#000『水鏡吉崎について』









数ヶ月前――――







『お前なら止められるさ、吉崎』





『概念ではなく、我々が、君臨してこそなのだ』





『……君臨ねぇ。蹂躙の間違いじゃねーっすか。まぁ、俺にはカンケーないですけど』





『……吉崎。時幻党は我々から剥奪しようとしているのだよ。人の生きる理念までも曲げようとしている。それではいかんだろう。人は常に、世を司り支配する側でなければならん』





『……蹂躙し続ける異聞の心理。懐疑もここまで来りゃあ、ただの徒(イタズラ)だ。人間がこれじゃ、理念だって泣きますよ、巌元帥』





『吉崎…、』





『まあ、俺は。別に守るものもないんで。上から言われた事ぐらい、遂げてみせますよ。だからせいぜい見といてくださいね。アンタらの愚考は一人の少年の人生を大きく狂わせるって現実を』






…………………………







『吉崎、お前。吉崎って苗字じゃないんだな』





『なんすか。いきなり』





『吉崎って言うから、ずっと苗字だと思ってた』





『……一応、名前ですね。フルネームは水鏡吉崎(ミカガミヨシザキ)苗字は水鏡です』





『水鏡ねぇ。顔に似合わず』





『ほっといてくださいよ』





『まあ。もっと笑えば少しはマシなんだが。と、言うか。吉崎。お前…今日の最終試験、自信あるのか?』





『何をするかによりますね』





『つまらん回答だな。お前ときたら、昔のアイツみたいだ』





『ほっといてくださいよ』





『仏頂面。愛想が悪いと、イイ事ないぞ、吉崎。折角、綺麗な眼をしてるんだ、勿体ないじゃないか。笑わないと』





『アンタ、人のコンプレックスを…』





『アタシはお前の眼が好きだよ。右は海の色。左は月の色。素敵だよ。一番は想一。二番は烈将。三番が火捕辺で。四番がアンタ。眼の綺麗な人間は好きだね。まあ。そう言う訳だから精々、死ぬ気で頑張りな。お前が死んだら、アタシは悲しいし、上にも怒られるんだから』





『……どーも』





水鏡吉崎(17)
天津から派遣されてきた
浄化師の見習い。
駿河桐己の弟子であり
白の悪意の息子である。







 
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