電霊‐LOGICAL PARADOX‐ (仮)

□化け物
2ページ/2ページ






『私めは。アナタがモルモットと称する彼らを永遠に庇護いたしやす。アナタよりも私めよりも生きるに相応しい命でありやすから』



金色の眼も捕食者としての牙も
大きな羽も、歪なあの姿も
人に害成す異物でしかないから
食らわずして、共存の道を。
全ては愛すべき命の為に。
邪魔する者は排除する。





………………………ピシッ




『飛翔、旋回』



『!?』



『真空刃でやす。カマイタチとも言います。煉獄の風でやす。見えずしてアナタを裂きます。動けば乗じてヒシヒシと』



『拘束術か』



『いいえ、暗殺術です。殺す為のスベでやす』



『回りくどい術使うじゃねぇか』



『私め拘束術は使えやせん、全てが攻撃術でやす。よって微調整で上手いことやっとります』



『面白ぇ…面白ぇな、お前!! そーゆー意外性は好きだぜ』



『そらどうも』



『それだけだけどな!!』



『!!』



桔梗は、強く切り裂かれる身体を
諸共せず、此方に近づいて来て
懐刀で俺の胸を貫いた。




『………、』



『くく、このまま縦に裂いてやろうか? 横がいい? 俺の霊圧ならミンチにも出来る』



『……っ』



『どうするよ、芝祈?』



『………私めは』






…………………ガチャッ




『お前ら、会議にも出席しないで何をやっている、バカタレ』



『おや、蓮華さん』



『ちっ、うるせえな!!』



『うるせえじゃない。仲間同士で殺し合うなど浅はか極まりないぞ、桔梗』



『先に仕掛けたのはレッショーだ』



『芝祈も大人気ないぞ』



『すみません』



『まあ、何でもいいからさっさと会議に出席しろ、新しい任務が回ってきてる』



『わかりやした。了解でやす』



『了解』



『五分以内に来なければ、二人とも霞から直々に仕置きだ』



『………はい』



『ちっ、うっせぇバカ女共だ』



短刀を引き抜き、ニタニタ笑う桔梗と
溢れかえる血を見て
困ったなあ、と溜め息を吐く俺。
異様な光景だがいつもの事だった。




『今日はお預けだ、命拾いしたな、レッショー君』



『お互い様でやす』




俺は、きっといつか
この男を殺すだろう。
無意味な殺生は嫌いだが
害虫駆除はきっと必要だから。







 


次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ