電霊‐LOGICAL PARADOX‐ (仮)

□吉崎と鈴萌
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#000『吉崎と鈴萌』





国津退魔師協会・地下食堂にて


『おい、よっちゃん』

『よっちゃんじゃねぇです』

『じゃあ、みっちゃんか?』

『みっちゃんでもねぇです』

『だよなー。みっちゃんは、もっと可愛いもんな』

『何処のみっちゃんすか?』

『って言うか吉崎、お前さー、性格悪い新人っつって退魔師の間で噂になってんぞ』

『へー。噂とかマジくっだらねぇ。言いたい事があんなら直接言いに来りゃいいのに。まあ、別にいいっすよ。俺ホントに性格悪いですから』

『うん。俺も何人かそーゆー奴知ってるけどさ、お前、今週の性格ブスランキング堂々の一位獲得だわ』

『はい、受賞おめでとーございます。ありがとーございます。拍手』

『訓練には来ないし、任務もサボるし、って言うかさ、人が喋ってる時は、こっち見ろよ!! 携帯禁止!!』

『そー先輩って声でけぇっすよね。耳に響く』

『お前マジで一回はっ倒すぞ!! 金髪エセ眼鏡!!』

『やだ、こわーい。イジメだ、パワハラだー』

『だぁああああ!!!!!!!!!』



『想ちゃん、うるさいよ。何はしゃいでんの? みんなの迷惑になるじゃない』

『鈴萌!! 鈴萌いい所に来た!! ちょっとコイツに言ってやってくれよ、先輩の言うことはちゃんと聞くもんだって!!』

『何、ザっくんとケンカしてるの?』

『ケンカじゃねぇよ!! コイツ人が話してんのにマジメに聞かねーんだよ!!』

『え、聞いてましたよ』

『聞いてたってさ』

『嘘つけぇええ!!』

『想ちゃん五月蝿いって』

『ああ…、何かすっげー萎えてきた……テンションがた落ち…最悪、お前ら大っ嫌い…』



『…そー先輩』

『……何だよ』

『一緒に飯食いませんか?』

『………お前な』

『いや、ちょっとからかったつもりだったんですけど、本気で怒らしちまったみたいだから、詫びです。きつねうどん奢ります』

『………マジ?』

『ええ』

『………じゃあ食べる』

『俺、食券買ってきますよ』



『…ザっくんてさ』

『なんすか』

『実は結構、想ちゃん好きでしょ?』

『あ、判ります? 面白いっすよね、あの人。すぐ本気になる』

『そ。単細胞だから冗談通じないんだよね。からかい甲斐があるって言うかさ…玩具だよね、もはや』

『おー、気が合いますね、鈴先輩』

『ねー』




 


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