電霊‐LOGICAL PARADOX‐ (仮)

□たまには明るい話をしよう
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#000『たまには明るい話をしよう』





カレーハウスDOCO壱番屋にて.





『なんで俺は、こんな暑い日に、お前らと顔突き合わせて三人仲良くカレー食ってんだろうな…』


『えー、たまにはいいじゃーん。だって、ここの10倍カレー、15分以内に完食したら一週間分のタダ券くれるんだよ? 豪華じゃない? しかもチーム参加でもいいって言うんだから。やるっきゃないでしょ?』


『タダ券とか、別に欲しくない…カレーぐらい自分んちで作るし、こんな無駄に辛いカレー作って客が食えない事を前提としたチャレンジメニューとかさ…もう食べ物で遊んでるとしか…』


『うるさいなあ、想ちゃんは要らなくても、私がいるの!! もう、ごちゃごちゃ言ってないでさっさと食べてよ!! こんな辛い思いしてタダ券貰えなかったらシバくよ!?』


『お前は、どこの暴君だ!!』


『………………』


『霧島も何とか言ってやれよ!!』


『……ホント』


『うん!!』


『………辛いわ』


『そこかよ!!』


『……辛いっつうか』


『うん!?』


『………痛い』


『そうね……』


『――もう、辛いだの痛いだの臭いだの苦しいだの、男らしくないなあ、二人とも!! 男ならガツンと食べなさいよ!! ガツンと!!』


『いや、臭いとか苦しいとか、そこまで言ってないし。そもそも、お前に男らしさとか言われたくない』


『つーかよ、カマが何ほざいてんだ。ぶっ飛ばすぞって話だろ?』


『やだ、怖い!! てゆーか、私オカマじゃないもん、男の娘だもーん。男の娘に、暑苦しい男らしさ求めないでよ』


『…鈴萌…お前さあ』


『……お前、マジで、ぶっ飛ばすぞ、糞カマ』


『あぁ…俺、珍しく霧島の意見に同意だわ』


『ひどい!! 想ちゃん!! どんな時も想ちゃんだけは私の味方だと思ってたのに!!』


『しっかし、本当に辛いな、このカレー。何入ってんだろ?』


『ナチュラルスルー!!』


『でも何だかんだ言って霧島は頑張ってんな。あと三口ぐらいじゃん? お前もタダ券欲しいの?』


『タダ券は要らねえ…が』


『え?』


『ここ最近、丁度、辛いカレーが食いたいと思ってた』


『………、良かったじゃん、念願叶って』


『だが』


『ん?』


『流石に限度があるだろ』


『……そうね』




 
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