電霊‐LOGICAL PARADOX‐ (仮)

□不穏と
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#000『不穏と』





『あー。アンタも健在ですかあ。相変わらずやる気の無い面してんなあ。おっさん』


『おやおや。久しぶりジャマイカ。イノセ。何してんだい、こんな所で』


『こんな所も糞も、自分んちに帰ってきちゃならんのですか、僕は』


『え、だって君が家にいると碌な事がないから』


『はあ。どいつもこいつも人を厄介者みたいに言いやがりますねえ…』


『だって厄介者じゃまいか』


『まあ。否定はしませんけど。そーゆーアンタは真っ昼間から独りで部屋に籠もって何してんですか?』


『更なるぷんすか増殖実験』


『……………………』


『ぷんすかをいっぱい増やしてだな、真夏のぷんすか祭りを開くんだ』


『………そうですか』


『で、君は何してるの?』


『率直に聞きますけどね。御子柴か白羅の居場所知りませんかね?』


『さあ? 何でだい?』


『ちょっと殺そうと思って』


『私怨かい?』


『ええ、まあ』


『ならやめときなさい。御子柴は駄作だが、白羅には適わないよ』


『ええ。知ってますよ。負けましたから』


『だよねえ。白羅に負けて煉獄を横取りされた挙げ句、封印されちゃったうっかりさんだもんね。君は』


『そうですよ。だから、殺さないと気が済まないの。アレは万物共通の敵で、例外なく俺の敵になりました』


『僕ぁ、争いには関与したくない人間だからねえ。猫や妖精と戯れながら喫茶店で不味いコーヒー入れつつDJやってる方がいい』


『だーかーら、別に力を貸せとは言ってません。ただ僕はねぇ。煉獄を返して貰いたいワケです。あと邪魔なものは消し去りたい。素直な動機でしょう』


『自分に正直なだけだからどんなに身勝手でも罪は無い。ただの利己主義だ。それを潔白とは呼ばないけどね』


『別に誰を貶めるつもりもありませんよ。ゴミは捨てる。使えるものは使う。極普通のことでしょう』


『君は嫌な奴だな。思いやりなんて欠片もない。生きてるだけで有害だ』


『人間とは違うんです。基準が』


『レッショー君も人間じゃあないが。優しいよ、もっと』


『あれは駄作でしょう』


『君よりマシだぜ、ずっと』


『あはは。ならそれでいいじゃないですか。アナタがどう思うも、俺は俺ですから。比べ物になりません』


『物分かりの悪い怪物だな』


『で。御子柴と白は何処です?』




 
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