電霊‐LOGICAL PARADOX‐ (仮)

□千変万化じぇねれいしょん
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#000『千変万化じぇねれいしょん』





『レッショー。何を見てるんだ?』



『ああ、愁水。いえ。いつぞや私めが貴女へ宛てた手紙でやす。掃除をしていたら見つけまして。ついつい感傷に浸っておりやした』



『感傷に浸るような年かお前』



『充分いい年でやす。時間は捨てました故、身形は二十代で停めてありやすが。実際にカウントするならば老人の部類でやす。まあ、貴女には遠く及びませんがね』



『ババア扱いしてくれるな』



『してませんよ。いつまでもお美しい貴女ですから』



『心にもないことを』



『バレました?』



『まあ………確かに懐かしい手紙だな。お前が丁度、守り人として暗躍してた頃、まだ格好良かった時代の手紙だ。よく覚えている』



『まだ………って。今はそうではないと聞こえやす』



『顔は変わらないのにな。中身が別人だ。私は昔のお前の方が好きだったぞ。潔く豪傑で、とても格好が良かった』



『失敬な。今だって潔いでやす』



『その喋り方だよ。いつからそんなへっぽこ腑抜けキャラになってしまったのか残念でならんよ』



『……愁水。私めも言わせて貰いますが、貴女は最近、中身までババ臭くなってきやした』



『なぬ!!』



『愁水。きっと中身が変わるのは進化でやす。私めも貴女も、日々変わり続けるのでしょう。英雄たる者、それは決して退化であっちゃならんのですから』



『まあ、最もだ』



『私めは“今の貴女も”尊敬しておりやすよ。白羅とは違ってね』



『あいつも昔は言葉が通じたんだ。小さくて、白くて、優しくて、可愛かったんだがな……』



『どんな人間も子供の頃は可愛いもんでやす』



『そうだな。あのイノセだってきっと昔は…………………いや、あれは可愛くない。子供の頃とか知らないけど多分可愛くない気がする』



『わかりやす』



『けどまあ。生き物は変われるってんならアイツもいつか変わるかもしれんな』



『良くも悪くも、ね。千変万化ってやつでやす』



『私はそれが常に“進化”であることを願うよ』



『同感』







 


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