電霊‐LOGICAL PARADOX‐ (仮)
□そんな世界の片隅で
1ページ/1ページ
#000『そんな世界の片隅で』
『と言うことで、僕と姪は伝記を出す事にしたのだよ、愁水君』
『ほう。伝記か』
『そうさ、僕らのレジェンドを後世に残すんだ!! エログロ禁止で!!』
『エログロ? まあ、黒衣は、なかなか多彩な娘だが。貴様のレジェンドなんて生き恥以外で何かあるのか?』
『ちょっと待ってよ、愁水君、それはすんごく失礼じゃまいか!?』
『いや、例えばだな。冷凍庫で手が凍ったとか、虫を鷲掴みにして卒倒したとか、人から借りたプラモをぶっ壊したとか、部屋を爆発させたとか、ドアノブを片手でもいだとか、そんな話しか浮かばないんだよ』
『どうやら君の中にいる僕は、うっかりはちべえにも等しいようだな』
『いや、そのものだ』
『ねえ、愁水君。前から言おうと思ってたんだけど、君さ、僕の事一体何だと思ってるの!?』
『うっかりはちべえだ』
『ガッデム!!!』
『だからお前のレジェンドエピソードは要らん。そんなもん後世に残して得られるのは失笑だけだ。もっと需要あるものにしろ』
『Oh……何たる言われ様。需要……需要ねぇ……………………………あ、あれか。愁水君のはだかとか!』
『誰に何の需要がある?』
『需要……………………………需要? 僕のはだか』
『お前、需要の意味、判ってるか?』
『需要……………………………………………ジュヨウ……JuーYouー……………』
『必要なのは需要と供給だ』
『わかった!!』
『なんだ?』
『イケメンになった僕の半裸』
『お前と話してると疲れるな。私は昼食をとるとするよ。さらばだ』
『え、ちょっと待ってよ愁水君!! ちょっとした真木ジョークじゃまいか、ねえ、ねえ!!! ねえってばー!!!』
――――――――ガチャッ
『叔父さん!! うるさい!! 執筆の邪魔です!!』
『ひぎゃっ』