電霊‐LOGICAL PARADOX‐ (仮)

□そんな世界の片隅で
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#000『そんな世界の片隅で』





『と言うことで、僕と姪は伝記を出す事にしたのだよ、愁水君』


『ほう。伝記か』



『そうさ、僕らのレジェンドを後世に残すんだ!! エログロ禁止で!!』



『エログロ? まあ、黒衣は、なかなか多彩な娘だが。貴様のレジェンドなんて生き恥以外で何かあるのか?』



『ちょっと待ってよ、愁水君、それはすんごく失礼じゃまいか!?』



『いや、例えばだな。冷凍庫で手が凍ったとか、虫を鷲掴みにして卒倒したとか、人から借りたプラモをぶっ壊したとか、部屋を爆発させたとか、ドアノブを片手でもいだとか、そんな話しか浮かばないんだよ』



『どうやら君の中にいる僕は、うっかりはちべえにも等しいようだな』



『いや、そのものだ』



『ねえ、愁水君。前から言おうと思ってたんだけど、君さ、僕の事一体何だと思ってるの!?』



『うっかりはちべえだ』



『ガッデム!!!』



『だからお前のレジェンドエピソードは要らん。そんなもん後世に残して得られるのは失笑だけだ。もっと需要あるものにしろ』



『Oh……何たる言われ様。需要……需要ねぇ……………………………あ、あれか。愁水君のはだかとか!』



『誰に何の需要がある?』



『需要……………………………需要? 僕のはだか』



『お前、需要の意味、判ってるか?』



『需要……………………………………………ジュヨウ……JuーYouー……………』



『必要なのは需要と供給だ』



『わかった!!』



『なんだ?』



『イケメンになった僕の半裸』


『お前と話してると疲れるな。私は昼食をとるとするよ。さらばだ』



『え、ちょっと待ってよ愁水君!! ちょっとした真木ジョークじゃまいか、ねえ、ねえ!!! ねえってばー!!!』





――――――――ガチャッ




『叔父さん!! うるさい!! 執筆の邪魔です!!』



『ひぎゃっ』







 


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