異邦人大系 読み切り版

□ある晩の悪夢《読み切り版》
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#ある晩の悪夢《読み切り版》








〔──何処からどう見ても、高校生カップルっしょ〕



夜の街、潜入捜査。
俺はどうしてこんな事に
なっているんだろう───。





『鳴神。今からでもいいから代わってくれよ』


〔嫌だよ〕


『んな、はっきりと。しかも、即答すんなよ。んじゃあ、霧島君の方は──…』


〔──断る〕


『………、』



無線越しの小さな会話。
何でこんな事に。その言葉のみが
グルグルと頭の中を駆け巡る。
彼等の事なら前々から
気になってはいた。
いつか一緒に任務も
出来たらいいな、なんて。
でもそれが、まさかこんな形で
実現するだなんて夢にも思わなかった。
そう、今思ってみれば“夢”にも───。





『陣内君。私の事、嫌い?』


『いや、そんなんじゃ──。只…』


『ただ?』


『……恥ずかしいです』



恥ずかし過ぎる、この状況。
鈴萌さんが自分の左腕へ
それこそ恋人さながら
腕を絡めて来る。
しかも、その状況で
人通りの多い繁華街の中を
二人で歩けというのだ。
更にそれも、鳴神や
霧島君達の監視下の下にて───。





『陣内君の恥ずかしがり屋さん♪』


『…ははっ』




 
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