異邦人大系 読み切り版
□天津国津壊滅事件
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天津総滅師協会、諜報部。
『───失礼します』
──カチャリ…
『あの、黒峰指揮。うちの祟場から言われ、定期調査報告書を提出しに来ました』
『ご苦労様──』
舞台は、時幻党から所変わり。
四柱の一人が欠け、更には
第三指揮官の不在により
天津総滅師協会は
非常に遽しい毎日を
日々、余儀なくされていた──。
『おや、優人君。お忙しそうで。すっかり社会人さながらですな。お疲れさんでやす』
『あ、烈将さん。お疲れ様です。ははっ、社会人だなんて、そんな。俺は只の先生の雑用係ですよ。天津(ここ)の人、皆さん、死にそうな顔して毎日、駆け回ってるから…。俺も何か役に立ちたいんです』
『ほう。それはそれは、感心でやすねぇ。あ。ほうじ茶、飲みやす?』
『ああ、いえ…。黒峰指揮に調査報告書をチェックして頂いたら、こっちの書類らを苧原指揮の元へと届けるようにも言われてるんです。だから、すみません。お気持ちだけで』
『そうでやすか。それは残念……』
──ルルルル、ルルルル…
『おや?』
──ガチャ
『はい。コチラ、まんまみ〜あ☆ペットホテルでございやす。ご予約で?』
『……………や、烈将さんっ──、』
〔───芝祈ぃ……!〕
『?、チビ嬢…?』
〔──た、助けてくれっ…! じ、実は今、大変な事になってて〕
『何がありやした?』
〔話せば長くなるんだが。今、国津の方に範記と来ていて……。国津〈ドガシャーンッ!! バキバキメキバキ!!〉な物が〈ガコン、バキッ!!〉て…。それを範記が………〕
『待って下さいな、チビ嬢。よく聞こえな……』
〔───やめろ、範記…!! やめっ、平沢〈ガガガガ、ザザザザッ〉の、範記! きぃ、きゃあああああああ!!!!!!〕
──ブツッ、ツー、ツー、ツー、ツー……
『ふむ。』
『…………や、烈将さん? なっ、何か悲鳴みたいなの聞こえましたよ……??』
『ええ、まあ…。優人君。そのままで暫し、お待ちを』
『えっ…?』
──ピポパポ
〔ツー、ツー……〕
──ピポパポ
〔ツー、ツー、ツー………〕
『……ふむ。』
『あ、あのっ…』
『何だい? トラブルかい?』
『いえいえ。こちらの事です故。黒峰さんは、お気になさらず。貴方のお手は煩わせません』
──ピ、ポ、パ、ポ…
〔ルルルル、ルルルル…〕
『……………、』
『……?』
〔〈──ガチャ、〉はい。もしもし〕
『…あ。祟場さん?』
『(せ、先生…?)』
〔ん? おー、芝祈か? どうした?〕
『今、私め。黒峰さんの所に居るのですが。ちょいと、優人君をお借りしたいなぁ〜と思いやして…』
〔はっ!? 急に何だ。おい、アンタ、まさか──。また、何か面倒事に優人を巻き込む気じゃ………〕
『んじゃあ、そーゆー訳で。宜しくさんでやす』
〔ちょ! 待てっ! 芝………〕
──ガチャン
『では。行きやすか、優人君』
『──烈、将、さんっ…??』
嫌な予感を滾らせる
優人であった───…。